ネギだ、ワケギだ、いやアサツキだ!
アサツキこそ美食、
アサツキこそ歴史、
そしてアサツキこそ人生……な浅葱町は異世界である。
ただし魔法はない。
主人公達子は公務員をしながら小説家を目指している。
アーティストのケイに召喚?されてこの異世界に足を踏み入れるのだが。
そのあまりにも微妙なパラレルワールドぶりとアサツキ無双に最初は辟易しながらも、浅葱町と元の世界を行き来するうちに、次第にこの町とアサツキスメルに馴染んでいく。
なにしろテンポが良くて親しみやすい文体と、謎解き要素にも惹かれて、どんどん読み進めてしまう。というか、読まずにいられなかった。
しかい浅葱町の住人やケイとのコミカルなやりとりの中にも、主人公が自分の生き方を問うくだりにはドキリとさせられる。
それにしてもこの浅葱町、ただのアサツキではない。
騒々しくも愛すべき人々、そして浅葱猫タマとは、
読んでいる私もいつの間にか離れがたくなっている。
高級ブランドアサツキ、食べたいです。
主人公のアラサー公務員が偶然、そしてふらりと立ち入ってしまった異世界。
とにかく、アサツキだらけの町。アサツキ、アサツキ。アサツキ!
ネギでもニラでもワケギでもなく、アサツキ!!
食べ物が出てくる物語って、つい食べたくなってしまうものが多いのに、
この小説を読んでもアサツキが全然食べたくならないのはなぜ!?(笑笑)
町のアサツキと変な住民たちに巻き込まれながらも、自らの意思でこの町へ踏み込んでいく主人公。
はたして、彼女はこの世界で夢を叶えることができるのか?
そして、アサツキと異世界の不可思議な謎(?)とは!?
思わず笑ってしまうアサツキ臭い物語。
楽しいドタバタ劇あり、時に切ない話あり、ほっこり心温まる人情あり。
途中から登場する、浅葱猫のタマちゃんにも癒やされます♪