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憶良の歌は私も好きです。私は、おそらく小学生ぐらいのころに万葉集に興味を持ったのですが、そのきっかけも、憶良が詠んだ人間的な歌の数々だったように思います。
ところで、貧窮問答歌で詠まれている庶民の家族の形態は、三世代同居の嫁入婚であることが窺われます。
当時の婚姻制度としては貴族の妻訪婚が多く知られていますが、そうではない婚姻形態も存在したことを知ることができ、当時の生活を知る貴重な資料だと思います。
《追記》
ご返信ありがとうございます。
憶良渡来人説は、中西進氏の論が有名ですね。
なお、上代の婚姻形態に関しては、次のような論文もありますので、ご参考になれば幸いです。
錦織浩文「上代日本文学から見た婚姻形態」『岡大国文論稿』第32号, 2004年3月, 岡山大学文学部言語国語国文学会, pp.1-10
https://ci.nii.ac.jp/naid/120006869587
http://ousar.lib.okayama-u.ac.jp/files/public/6/60117/20200715145055835063/okadaironkou_32_1_10.pdf
作者からの返信
すらかきさんは小学生のころにすでに万葉集に触れて興味を持たれていたのですね。
20代も後半になるまでほとんど縁のなかったわたしからすればなかなか早熟です。
万葉集が当時の生活を知る貴重な資料たりうることをわたしは疑いません。
嫁入婚は大陸の影響なのかなと思いました、というのも古代史音痴のわたしは憶良渡来人説を、ろくろく吟味することなく真に受けているので。
はじめまして。和歌も読ませて頂きました。しみじみ致しました。
憶良、私も好きです。子どもや貧しい人々を詠んだものも胸に響きますが、万葉集にある遣唐使に贈った送別歌が印象に残っています。
神代より言ひ伝て来らくそらみつ大和の国は皇神の厳しき国言霊の幸はふ国と語り継ぎ言ひ継がひけり〜
です。こんな歌を贈られたら、感極まって私なら落涙しそうだな、と当時中学生ながらに思いました(笑)。万葉集を久しぶりに読んでみたくなりました。
作者からの返信
はじめまして、葵 春香様。
拙作を読み、またコメントも下さってありがとうございます。
いま改めてその億良の長歌をながめると、端正で、貧窮問答歌などとはちがった趣きがありますね。
それにつけても中学生のときに万葉集のうたに感銘を受けたとは、なかなか早熟と見受けます。
時間などが許すようであれば、日本文学史上の宝たる万葉集を、どうぞいまいちど繙いてください。