最終幕 『真の理』

「ふっ

 お人好しめっ」


「向き合えって・・・

 オレ自身とじゃなくて、

 アヤカと向き合えってことだったんだね。

 自分の事しか頭に無くて

 何だか恥ずかしいよ・・・

 改めて、逢ってきてもいいかな?」


「私が決めることではない」


「そっか・・・じゃぁ逢ってくる。

 ちゃんと向き合って来るよ」


「あぁ」


教会の扉を開けると

大きな聖母マリア像が出迎えた。

その胸元にある白銀の十字架の前に

両膝をついて手を組み合わせ

静かに祈るアヤカの姿が見えた。

私の気配に気付いたのか

アヤカはそっと振り返ると

軽く笑みを溢した。

それはとても神聖で美しい光景だった。


「アヤカ・・・」


「ユウキ・・・」


どこか安堵したような

安らぎに満ちた笑顔で

アヤカは私を迎えてくれた。

アヤカに近づき無意識に抱きしめていた。

温かさを感じつつ白い光に包まれていく中、

意識が光に溶け込むのを感じた。


「来て・・・くれたんだぁ・・・」


アヤカの声が微かに聞こえた気がした。

それと入れ違いに、

誰かに呼ばれた気がした。


「・・・様、・・・ユウキ様」


気が付くと例の人形の部屋に居た。


「・・・ん?」


「ユウキ様、大丈夫ですかな?」


「ピエール・・・さん・・・

 ここ・・・は?」


「ここは閲覧の間です」


「閲覧の・・・間・・・?」


「はい

 貴方が見にこられた部屋です」


「あぁ・・・人形の・・・」


「そうです」


「・・・アヤカは?」


「アヤカ様ですか?」


「今まで一緒に居たんですが・・・」


「そんなはずはございません」


「えっ?

 あれ?・・・あれっ?・・・

 何でこの部屋に・・・

 アヤカと教会にいたんじゃ・・・」


「覚えてらっしゃらないので?」


「確か、ヘイスケの件で

 アヤカと来たとこまでは覚えてるんですが

 その後、色々あって・・・

 最後、アヤカと教会に居たんですが・・・」

「ユウキ様、再び来られた時は

 貴方お一人でしたよ。

 この部屋をもう一度見たいと仰られて」


「えっ?

 アヤカと一緒だったでしょ」


「いえ・・・今回は、

 貴方は一人でここに来られました。

 しかも、初めて来られた時は

 お二人でしたが、

 帰られたのは貴方お一人でしたよ。

 とは言っても、部屋を出ただけで

 屋敷は出ておりません。

 と言うか、出られないのですがね」


「えっ?」


「それで、再び、ユウキ様が

 部屋に行きたいと仰られて

 行かれたのですが、中々戻られないので

 様子を見に来たらユウキ様が

 倒れておられて・・・」


「えっ?

 ちょっ・・・意味が・・・」


「最初に来られたあの時、

 アヤカ様はあのプレートに触れたのです。

 勿論、自らのご意思ででした。

 その瞬間、貴方はアヤカ様の

 深層心理に取り込まれたのです。

 同時に、貴方の言うヘイスケが

 貴方に寄り添う為に目覚めました。

 貴方がアヤカ様の深層心理で迷わぬ様

 アヤカ様の意思でそうされました。

 貴方がアヤカ様にとって

 それほどの存在だということです。

 その、意味の真理をご理解ください」


「意味の真理・・・」


「はい」


「ヘイスケはオレの為にアヤカが・・・」


「えぇそうです。

 貴方はアヤカ様の深層心理の中で、

 ヘイスケに導かれ、時に護られながら、

 アヤカ様の真理に触れることができた。

 アヤカ様が望んだ通り、

 そして何より、貴方自身が望んだ通り」


「アヤカとオレが・・・望んだ・・・」


「えぇ

 貴方方は本当に運が良い。

 第一に、まずここ刻冥館に辿り着けた。

 私が知る限り、ここに辿り着けたのは

 貴方方を含め百人もおりません。

 因みに、私がここを任されてから

 千年以上経ちますが

 それを考えれば

 ここに来られた方々は、

 恐ろしい運の持ち主でいらっしゃる。

 結局、ほとんどの人間様には

 良くも悪くも、

 真の理など見えてはおらんのですよ。

 にも拘らず、

 その皆がここに来れないのは何故か。

 残念ながら、その答えは

 私にも分かりません。

 何せ、私もここを任されているだけの

 存在ですから・・・」


「何がどうなって・・・」


「貴方方は、共に同じ想いです。

 しかし、そこに達するまでの気持ちの

 お覚悟がまだできていらっしゃらない。

 少なくとも、アヤカ様は

 そのことに気付いておいででした。

 だから、ここへ来れたのです。

 貴方も、ここに導かれて初めて

 お気づきになられたのではないですか、

 貴方自身に欠けていたもの

 そして、人の人生を背負う覚悟を」


「確かに・・・そうですね・・・」


「なら、貴方がすべきことも

 もうお分かりなのでは?」


「・・・はいっ」


「ならお行きなさい。

 アヤカ様のもとへ」


ピエールさんが私に手のひらを翳した。

眩しい光に包まれ、また意識が遠ざかった。


「ユウキっユウキっ」


「ん・・・っ」


遠くから聞こえる私を呼ぶ声に

意識がゆっくりと明るみを帯びた。


「ん・・・アヤカ?

 ・・・ここは?・・・」


「刻冥館だよっ」


「刻冥館?」


「うんっ」


「ご観覧中にお倒れになられたので

 ここに運ばせていただきました」


「ピエールさん・・・」


「はい。大丈夫ですか?」


「あっ・・・はい・・・

 オレは・・・」


「大丈夫?ユウキっ

 病院行く?」


「アヤカ?

 どうしてここに?」


「どうしてって・・・

 一緒に人形見てたら急にユウキが

 倒れたんだよ。

 覚えてないの?」


「オレが・・・倒れた?」


「そうだよ。

 そしたらピエールさんが

 ちょうど来てくれて」


「なんか・・・

 前にも似たようなことが」


「???

 大丈夫?ゆうき・・・」


「大丈夫・・・

 じゃあ、オレ達還って来れたのか?」


「還ってって?

 どこから?」


「どこって・・・

 お前の深層心理からだよ」


「私の深層心理?

 や~んエッチ~」


「エッチって・・・あれ?

 一体、どうなってんだ?」


「やっぱり病院いこっ

 倒れた時きっと頭打ったんだよ

 どっか痛いところとかない?」


「いや・・・

 どこも痛くない・・・」


「ほんとぉ?」


「あぁ

 それよりアヤカ。

 話したいことがあるんだ」


「なあに?」


「オレはお前と結婚したい」


「どうしたの急に」


「オレは今回の旅行でお前に

 プロポーズするって決めてたんだ。

 でも、途中で色々あっただろ?

 その時、自分の本心と向き合う

 機会があったんだ。

 夢かもしれないけど。

 でも、夢にしろ自分とちゃんと

 向き合ったんだ。

 そしたら、オレは自分の気持ちだけで

 アヤカにプロポーズするとこだった。

 勿論、プロポーズなんて

 そんなものだろうけど。

 でも、自分のことや自分の気持ちを

 アヤカに見せないまま伝えないまま

 生涯を共に生きたいなんておこがましい

 そう感じたんだ。

 オレは、自分に甘くて、弱くて、

 ずる賢くて、まだまだ子供で・・・

 水泳は苦手だし、もてた事ないし、

 頭も良くないし、顔だってこんなだし、

 でも・・・でも、

 アヤカのことは本当に大好きなんだ。

 オレはアヤカが居れば

 それだけで幸せなんだ。

 でも、オレは幸せでも

 アヤカが幸せになれるのか・・・」


「それでどうしたいんだ?」


「だから、これから努力するよ。

 いい夫になって、いい父親になって

 いい男になって・・・

 アヤカを幸せにできるように

 一生懸命頑張るから・・・努力するから

 だから・・・

 オレと結婚して欲しいんだっ」


「勿論、断ってもいいんだよな?」


「・・・勿論・・・」


「だとよ、アヤカ」


「・・・えっ?」


「ユウキ・・・初めてだね。

 そうやって自分の気持ち話してくれたの。

 ・・・5年。

 私はずっと楽しかったし幸せだった。

 私も結婚したいと思った。

 でもね、そう真剣に考えたとき

 私はユウキの全部を見てなかったことに

 気付いたの。

 ユウキがどんなヒトなのか、

 そして、ユウキが私の事

 どう想ってくれているのか・・・

 そしたら、急に怖くなっちゃって。

 私もね、この旅行ではっきり

 答えを出そうって決めてたんだぁ。

 きっと、

 神様が私達にチャンスをくれたんだね。

 お陰で答えが出たよ。

 私は・・・」


「そろそろお時間のようです。

 お名残惜しいですがお別れのようです」


「ピエールさんっ」

「ピエールさん・・・」


「最後までぐだぐだだなお前ら。

 続きは自分らだけでしなっ

 付き合いきれんっ」


「ヘイちゃん」

「ヘイスケ・・・」


「ユウキ、約束通りお前は石器時代だ」


「えぇ~~~ヘイスケさんっ

 ごめんなさいっ」


「ふっ」


「ありがとうね、ヘイちゃん」

「ありがとう・・・ヘイスケ・・・」


「まったく。

 もう好きに呼べ。

 お前が勝手に付けた名だ」


「最後に一目逢えないかな」


「私も逢いたいっ

 ヘイちゃんっ」


「どこを見ているお前ら。

 オレはこっちだ」


声のする方に向き直ると

そこにはあのヘイスケがいた。


「ヘイちゃん・・・」


「ヘイスケっ・・・

 もしかして、本当はあの時も

 話せたんじゃ・・・」


「どうだかな・・・」


「あのおっさんなルックスが

 本当の姿?」


「おっさん言うなっ。

 あれはアヤカの世界だ。

 お前を守り導く者を創造した姿

 それがあそこでのオレだ」


「アヤカあんなおっさんが好みなのか?」


「違うよぉ

 強くて優しい、逞しい人のイメージが

 あのヘイちゃんなんだよっ」


「じゃあ、ヘイスケの本当の姿って?」


「お前が今見てるこれがオレだ」


「やっぱり人形なんだ・・・」


「お前のポンコツな頭では

 説明のしがいが無い」


「え~酷いなぁ」


「ふふっ」


「アヤカまで笑うなよぉ」


「ごめぇ~ん」


「そろそろ時間だ

 それはもう必要ないだろう」


その言葉と同時に腕の砂時計が

消えて無くなった。


「二人ともしっかりな」


「うんっ」  

「あぁ」


「それと、今までありがとう」

「ありがとっヘイちゃんっ」


「お安い御用だ」


そのまま何かに導かれるように

ゆっくりと光を向かえた。

眩い光が治まる中、ぼんやりと

景色が広がった。

周りを見ると、そこは例の空き地だった。

助手席にはアヤカが寝息を立てていた。

慌てて振り向くと、後部座席には

誰の姿も無かった。


「今までのは・・・夢?

 アヤカっアヤカ・・・」


「んっ~~~~~ん・・・

 ふぁ~~~~~っ

 おはよぉユウキ」


「おはよっ

 良く眠れたか」


「うん

 でもたくさん夢を見たよぉ。

 覚えてないけど・・・

 あれっ?ここどこ?」


「オレにも分からないけど

 山道に入り込んだみたいだな」


「方向音痴さんだもんねぇ」


「やかましっ」


「えへっ」


次の瞬間、強風が木々の葉っぱを

舞い上げながら車を揺らした。

私は何かに背中を押された気がした。


「ちょっと待ってて」


「ん?

 ・・・うんっ」


きょとんとしたアヤカを残し

トランクのバッグにしまっていたものを

取りに行った。トランクを開けると

1本の日本刀がぽつりと置いてあった。


「ん?

 何だこれ?

 でも・・・どこかで見たような・・・

 アヤカっちょっといいか?」


「はぁ~いっ」


そういって小走りにアヤカが寄ってきた。


「これ、お前のじゃないよな?」


「これヘイちゃんのだよっ」


「ヘイちゃん?」

「ヘイちゃん?」


「いや、お前が言ったんだろ。

 何でオウム返しすんだよっ」


「ヘイちゃん、ヘイちゃん・・・

 誰だろ?」


「ヘイスケ・・・どっかで・・・」


「ヘイスケ?」

「ヘイスケ?」


「ユウキが言ったんだよぉ」


「えっ?

 オレが?」


「うんっ」


「コントかっ」


「えっ?

 何か言った?」


「ん?

 何か聞こえたの?」


「いや、たぶん気のせい・・・

 だと思う」


「でも、

 この日本刀どうしたんだろうねぇ」


「全く記憶に無いなぁ

 っておい危ないからよこせっ」


「はぁ~いっ」


「これ真剣かなぁ」


「私はいつだって真剣だよぉ」


「・・・さて、抜いてみるか?」


「あぁ~無視したぁ~」


「はいはいっ静かにっ

 真剣抜く時は冗談なしだっ」


「はぁ~いっ」


「やけに重いなぁ

 じゃ~抜くぞ」


「よいでごじゃる」


「・・・一応、目は真剣なんだなぁ」


ゆっくり引き抜くとき重厚な音がした。

つら~と姿を現す刀身。

鈍い光を放つそれに少し寒気がした・・・

途端抜けた。


「みじかっ

 包丁かっ・・・あれ?

 この台詞・・・」


「あぁ~デジャブだぁ」


「えっお前も?」


「うんっ

 なんだか前にもこんな・・・」


「!!!っ」

「!!!っ」


ソレを見た途端何かが頭を過ぎった。

アヤカもそんなリアクションだ。


「ヘイちゃんっ

 ヘイちゃんのだよソレっ

 危ないからってユウキが仕舞ったんだよ」


「ヘイスケ・・・ヘイスケ・・・

 あっ・・・思い・・・出した。

 そうだヘイスケのだっ」


「私・・・全部思い出しちゃった・・・」


「オレもだ・・・」


「刻冥館・・・」

「刻冥館っ」


「あれは、やっぱり夢じゃない」


「うんっ」


「ここだ、ここに刻冥館があった」


「うん

 そうだったね。

 ここでヘイちゃんと

 初めて逢ったんだよね」


「でも、何で無くなってるんだ?」


「分かんない・・・」


二人して、現実として起きたと認識したが

証拠が刀と記憶しかないことで

途方にくれた。


「確かにここだった・・・

 明確な全ての始まりは・・・」


「うん・・・」


「真の理ってのを探す自分自身への旅。

 色々あったけど、

 結果的に二人とも無事にそれを見つけて

 ここに還って来れた」


「うん」


「それはそれで良かったんだけど、

 なんかモヤモヤするなっ」


「刻冥館もないし・・・

 ヘイちゃんもいない・・・

 あるのは、ヘイちゃんの刀と

 私達の記憶だけだもんね・・・」


「あぁ」


「・・・」


「・・・」


「きっと・・・

 きっと神様が私達に

 不思議な思い出をくれたんだよ。

 二人だけの秘密の思い出としてっ」


「・・・

 そっか・・・

 思い出かぁ・・・」


「うんっ」


「・・・そだなっ」


「うんっ」


「オレ達の胸の中に

 ちゃんと刻まれてるもんな。

 ヘイスケや他の皆・・・」


「うん・・・」


「アヤカ・・・」


「なぁ~にぃ」


改まる私を見て、

アヤカもこちらにちゃんと

向き直ってくれた。




「アヤカ・・・



 オレと・・・



 結婚してください」




「ユウキ・・・



 謹んで・・・



 お受けいたします・・・」




そう言って、私の差し出した

指輪をそっと受け取ってくれた。

何かに背中を押されての

若干ムードに欠けた

勢いのプロポーズとなった。

でも、その言葉には

自分の誠心誠意を全て込めた。

あの出来事が夢ではなく

二人で体験した紛れもない現実・・・

だからこそ、自分に自信が持てた。

自分に正直にアヤカに向き合えた。

これだけはちゃんと誇れる。

これが新しい私の第一歩になる。

いや、アヤカとの二人三脚で歩む

新しい人生の第一歩に・・・


「・・・ありがとう・・・」


アヤカが誰にというでもなく

うっすらと涙を浮かべて

小さく囁いたのが聞こえた。


「オレも・・・ありがとう・・・」


私も思い当たる全てに対して小さく呟いた。


「さぁ

 時間はまだあるっ

 始めようか、旅行の続きを」


「うんっ

 始めようっ二人でっ」




今もあの屋敷は勿論、

あの峠の場所さえも分からない。

あの後、どういう経路で残りの旅行と

帰路を辿ったのか微かな記憶として

残っているだけだ。

今思えば、ヘイスケに教えられたのは、

自分の真の理・・・だけじゃなかった。


『限られた時間の大切さと

 想いは言葉にしないと伝わらない』


思っているだけじゃちゃんと伝わらない。

そこに思い込みや誤解が生まれ

人間関係に予想もしなかった

不具合や歪みが生じる。

いらぬ心配もかけてしまう。

当たり前すぎて、簡単なようだが、

実は中々気付けない上に深く難しい。

あの日、ヘイスケと出会い、

その単純明快だが至極至難な戒めを

実感することができた。

まさか、人形に諭されるなんて・・・

そう言えば、最後のヘイスケの顔は、

私の目には紛れもなく人間として写った。

ヘイスケは誰かに創られた

ただの操り人形だったのか、

それとも私達の想像が生み出した

都合のいい架空の存在だったのか、

私には分からない。

分からないが、彼には確かに心があった。

私の知る人間以上に

人間くさいヒトの心が。




「去年の今頃だったね・・・

 ヘイちゃんに逢ったの」


「そだな・・・

 もう一年経つんだな・・・

 で・・・どうだった?」


「うん・・・

 順調だって」


「そっかっ

 良かった・・・」


「ねぇ~ユウキ・・・

 男の子だったらさ・・・」


「もちろんいいよ・・・

 ヘイスケ・・・だろっ」


「うんっ

 でも、女の子だったらどうするぅ?」


「もちろん、ヘイスケ子・・・」


「だよねっ」


「・・・ポンコツ夫婦めっ」


「!!!っ」

「!!!っ」


「今っ・・・」


「あぁ・・・

 聞こえたよオレにも」


「きっと・・・男の子だね・・・」


「そだな・・・

 とびきり愛想がなくて、

 さりげなく優しい男の子だろうな。

 誰かに似て・・・」


「でも私にはめっぽう優しかったよっ」


「女好きなんだろっ」


「じゃ~お父さん似だねっ」


「おいっ」


「えへっ

 私達のキューピットさんだもんねっ」


「あぁ

 弓矢じゃなくて刀持ってたけどなっ」


「うんっ

 みっじかいのねっ」


「あぁ

 生まれてくるこの子に

 いつか話してやろう。

 名前の由来を」


「そだねっ

 あなたは素敵な存在なんだよってねっ」


「あぁ」

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 『ヘイスケ』 アルセーヌ・エリシオン @I-Elysion

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