17ー03 彼らが、それを望んでいるならば話は別ですが
俺は思わずハルをみてしまう。
足留めだと?
よく映画で見る
囮となった負傷者を死なせないよう狙撃を繰り返していたぶり、
榛名と老人の二人がその状況に
榛名だったら、命の
「どちらにしろ、作戦チームが展開していないこの屋外が
ハルは、腰のホルスターに手を置いた。
「けれど、このままでは二人は駅構内へ入ってしまう。もし駅
ハルの言葉に
それがすぐさま現実と化すように、ライナスからの、ゾッとするようなひと言が耳に響いた。
「まずい! HAL03、イソノさん、CIAの二チームが動いていない!」
ライナスが言うのと同時に、ハルは銃を抜いて走り出した。
彼の言葉と、その背後で混乱と
……いや、理解したくなかった。CIAという世界
「クソっ!」
全力で後を追う。
「チームA、Bがともに
ディスプレイには、北東側から榛名へと向かうチームCだけが動いていた。東西の職員用通路内にあるチームAとBのポイントは、駅構内に出る直前で動きを止めていた。
いや、余計なことは考えるな。まだチームCがいる。
モニターに目をやると、駅構内の俯瞰図に実行部隊らしき表示は、いまだ見つけられなかった。それでも、
「実行部隊は?」
「まだ動きは無い」
よし。まずは霧島榛名と
新東京駅構内へと入った。
――そうか、この場所は、
八月七日に
左右それぞれにショッピングモールがあった。十日経ったこの場所は、
外から見たときと同様、エントランスから改札前までの空間は吹き抜けられており、その
「前方、一五メートル先に、キリシマ・ハルナさんとマツダ・エイジさんが歩いている。彼らの行き先はさらに一〇メートル先にある改札口だ。ゴーディアン・ノットは、それぞれCIAチームのいた職員用通路から、おそらくすでにこのエントランスへ入り込んでいる。ZOEの目を
通信が切り替わり、ZOEの声が左耳に響いた。
「一〇時、三メートル、一、です」
次の
一瞬遅れて、
「銃だ!」
「銃を持ってるぞ!」
ハルは周囲の声に
まるで
「え?」
倒れ込む二人の背後に、一人の黒いキャップ帽を被った男が、こちらにナイフを向けていた。
「磯野さん!」
その声に合わせて俺は倒れ込んだ。
俺の左にヒュンという音が走る。
直後、ハルの拳銃の発砲が二発続いた。
顔を上げると、キャップ帽の男は、
ハルへ振り返ると、防弾ベストで守られていないワイシャツの左肩から血が
……ナイフの
「ハル!」
「磯野さん、榛名さんを!」
「イソノさん、これは罠だ。ゴーディアン・ノットは、キリシマ・ハルナさん…………ない。き……狙って……」
「ライナス?」
「ジャミングです!」
ハルの言葉に俺は
八月七日のこの場所で起きたのと同じことが、たったいま発生した。
ジャミングを仕掛け、ZOEの
俺は立ち上がり、霧島榛名へと向く。
そして、彼女と、目が合った。
振り向きざまの彼女は、俺を見て驚き、叫ぶ。
「磯野くん!」
霧島榛名の額に、銃弾が
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