02-06 やわらかい……とか言ってる場合じゃない!
まずい。
柳井さん、たしかにオカルト話では
それにこのまま夢から目覚められないなかで、精神異常と
「えっとですね……振りかえってみると、さっきのはただ寝ぼけてただけだと思うんですよ。最近疲れが
「そうはいってもあれは
って、いまかよ!
この流れを……どうにかして話題を変えなければ。
「榛名お前いつもホットパンツだけどちょっとお尻みえ――」
「たしかに会長の言うとおりだ。磯野ー病院いこうぜ」
「うるせえよ」
「さっきの磯野は普通じゃなかったよ。なにもないにしても、僕も一度相談しに行った方がいいと思うなあ」
「さっきって、磯野さんなにかあったんですか?」
頭の上にはてなマークをつけながら、ちばちゃんはみんなを見た。ナイスちばちゃん!
「それがな、さっき部室に入ってきた磯野のヤツがわたしのことを――」
ちばちゃんの質問のおかげで、みんなの注意が榛名に向いた! こうなればもう逃げ出すしかない。
俺は音を立てぬようパイプ椅子からゆっくりと腰を浮かして、この場から逃げる
「……で、誰だよとか言いだしたんだよ」
よし。あとは振り向いて、半開きのドアに進めば――
ガタン。
っ痛! ……
「あ」
「逃げるぞ」
「引っ捕らえろ!」
やばい!
だが、俺の運動能力にかかればこんなも――
はなせ! やめろ!
榛名笑ってんじゃねーよ!
しかも、腕におっぱいが当たって――
やわらかい……とか言ってる場合じゃない!
……というわけで、柳井さんの車に押し込められて、半ば
なんでおまえらもついてくるんだよ……。
「磯野が心配だからに決まってんじゃん」
「うんうん」
後部座席にならんで座る霧島姉妹が笑顔で答えた。
大学病院の駐車場に車を置いた。そこから大学敷地内を数分歩き
「あれ? 病院じゃないんですか?」
「先方が今日は
柳井さんが電話をかけると数分後に、館内から白衣を着た三十代らしき
「
真柄先生か。なんだか苗字に
「いえいえ、お休みのところ急にすみません」
「気にしないでくれ。
真柄先生と目が合ったちばちゃんは
「
「その姉です」
「
「失礼なヤツだなー」
「そうですよー」
俺たち三人のやり取りを
「すみません。どうしても来たいと言い張って……」
「べつに大丈夫だよ。ただ
真柄先生は
真柄先生はある教室のドアを開けて、
「
真柄先生の言葉に、教室内で自習していたらしい一人の学部生らしき色白の男が「わかりました」と教室から出てきた。
西脇さんが
真柄先生は
西脇さんがカードキーを通して教室のドアを開けているあいだ、真柄先生が口をひらいた。
「あらためて言うけど、助教とはいっても私は
「よろしくお願いします」
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