02-02 俺はあの夢のなかでなにをした?
「なんですか?」
ふと声に出てしまった彼女の名前に、またもや
あの色の薄い世界の夢で、彼女の持ち物から知った
夢の中とはいえ現実のような、それでいて映研の世界では知り
いや、落ち着いて考えろ。これは夢だ。
つまり現実ではないのだから補完などされているはずがない。……のだが、夢の中であるはずなのに
もう一度少女を目の前にすると、映研での
「磯野さん?」
あどけない笑顔が不思議そうに首をかたむけて俺を見つめてくる。
心が
首をかしげるこの愛らしい
……とはいえ、いま目の前で発生したロリコンどもを殺す仕草だけは名前をつけて保存をしたい
――こっちは、現実じゃないんだ。
「いや、なんでもない。放っておいてくれ」
「?」
俺のあえて
とてもいい子だけに本当に申し訳ない……。
そういえば
――どうやったらこの夢から覚められるのか。
これが目の前にある問題だ。
俺がいま、このオカ研世界の夢に
生きてきた二十年のあいたに、こんなリアルな夢を見たことなんて一度もなかった。そもそも夢というのはどこかしら
だがどうだ。いま見ているこの夢はあきらかに
まてよ? 俺はこの夢の中で、あの色の薄い世界の夢のことを覚えていた。しかも
あの色の薄い世界で見た、ちばちゃんのノートに書かれていた
続きにしろなんにしろ、もし夢の中なのだとしたら
ともかく、この状況を
――俺はあの夢のなかでなにをした?
顔をあげると大学の
俺はベンチから腰をあげ、炎天下へと身を晒しながら
南門の前までたどり着くと自然と足が止まった。
あのときの記憶がよみがえる。色の薄い世界とつながっているのだとしたなら、一歩踏み出した
けれど、いま人々の生活するこの世界から
それに、あの色の薄い世界の夢からいままでずっと夢が続いているのなら、色の薄い世界へ戻ったところで夢から目覚める
……それでも、このままここにいたって同じことだ。なにも解決しない。
よし。
ひとつ
ダメだ、足が震えて動かない。
無人、無音。
あの世界に再び取り残されてしまうのは
俺が冷や汗をかきながら南門の前で
俺は、思い切って南門から一歩踏み込む。
世は、なにごともなく平和だった。
……喉が渇いたことだし、コンビニにでも行くか。
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