空羽七十三 転声の声優(くうはしちじゅうさん てんせいのせいゆう) 平平 祐様 紹介文

 妙にテンションの高い母親に話しかけられました。


「うちの市長がご当地ナンバープレートを申請したんだって。この市のナンバーができるかもしれない」


 これが郷土愛と言わんばかりの母親に、私はこう言いました。


「へー」(無関心)


 この街は好きなのですが、もうちっとは関心を持ちなさいよ。遠藤です。




 今回の紹介文、相当難関でした。


 そもそもバトル物を書きもしない私は、どのように紹介したものかと悩んでいます。


 とはいえ、自分で言い出したことなので、頑張ります。


 全ての伏線は終結へと集い、恐ろしく完成された物語の温度を、表現できればと思います。






 御柱七海。


 今をときめく、天才女子高生声優で名を馳せている。その容姿、その振る舞いなども人気を得る要因としては申し分ない。


 しかし、彼女を評価するに値した究極の才能とは……


 その、演技力。


「メイドを演じる時は?」

「メイド服を着ます」


「幼稚園児を演じる時は?」

「園児服を着ます」


「露出の多い女戦士の時は?」

「ビキニアーマーを着ます……私、声優バカですから」




 キャラになりきる努力すら厭わない、声優を愛する彼女は、


 巷を騒がせている、連続殺人事件に遭遇する。





 歴戦の戦士になりきって・・・・・見せるが、すでに殺すことを生業としてしまった殺人鬼。

 その強靭が迫る。人ではあり得ないような禍々しい、刃物と一体化したような体躯。

 逃げ惑う七海の顔面に迫る、鮮やかな死のイメージ。


 そのナイフは七海の命を捉えた


 そう思えた刹那。




「段取りがメチャクチャじゃないですか……これもまあ、想定内です」




 着飾るという概念はなく、しかし整った美麗な少年は、殺人鬼を敗北に沈める。


 正義の味方の登場に、ホッと安堵する七海。

 しかし、雲行きは怪しい。


 その殺人鬼は、一般人には決して見えないものである。

 偶発的に、七海はそれを知ってしまった。認識してしまった。彼女を人気声優まで押し上げることとなった能力のせいで。


 その代償として支払われるものは……




「その女。見なかったことにしてやってもいい」

 人語を解するカラスは、無慈悲にも言い放つ。

 冷徹に放たれる、死刑宣告。


「殺すなら、刃物を使え。連続殺人犯の仕業にした方が、後々楽だ」


 死を与えることに慣れた少年は、七海を見据える。


 視線だけで切りきざめそうなほどに、鋭利な冷たい瞳。


「それも、そうだね。これも想定内さ。




 想定内の……最悪なだけさ」




 七海は、声優の力を最大限に発揮し、渾身の思いを叫んだ。





「結局殺すなら助けるな〜〜〜〜!!」






 想力というのは、想いの力であって、想力体というのは、人々に一定以上認知されて、知名度により自我を確立したものだ。その想力体と契約した者を、想力師と呼んでいる。


 ソロモン七十二柱。記述された有名な悪魔の総集。


「ソロモン七十二柱って何ですか?」

「「「ググれ」」」






 想力師は契約した想力体の力を扱う。想いの力を操り、現実に干渉し仇なす想力体を滅することを生業としている。


 七海が巻き込まれた諍いは、命を削り合う血みどろの世界だった。


 当たり前に命のやりとりが行われる、情の入り込む余地のない、鮮血の戦い。





「どうせなら……後三日だけ生きたかった」

「三日後に何かあるんですか?」

「ベリーベリーベリーっていうアニメの、最終回アフレコが」

「……



 家族みんなで見ています」





 七海が天才と持て囃され、日本一の人気声優の座に留まることに至った理由とは。

 その努力、その想いの力、だけではなかった。


 七海が声優生命をかけて隠し通す、彼女にしかありえない秘密とは











「私は多重人格者なんです。ちょっと特殊な」






 魚って呼ぶのやめてください!


 どうして人殺しの僕を怖がらないんですか?


 サインをください……サインをください


 自分より可愛い奴、頭のいい奴、金を持っている奴、消えろ、死ね、殺したい。

 私には力がある。だから我慢なんかしない! 殺す! 壊す!







 想力師同士の熾烈な争いは続く。刹那にやりとりされる死の可能性。一撃は絶命への片道切符。

 普通の人間でしかない七海は、

 ただの足でまといでしかない。




 少年じゃなくて、七海を狙いなさい。





 迫り来る恐怖は生命を脅かす。絶体絶命の瞬間。生物としての終焉が間近に息づいたその刹那。


 七海に眠っていたもう一つの意識が





 覚醒する。





 私に





 代わって






 悪魔の名を冠する七十二柱に、新たに刻まれるその名を焼き付けろ。


 緻密に張られた物語の伏線。


 熱き血が沸き立つスリル、怖いくらいに冷徹な思想を持って、加速し、完成していく物語。







 その力、転声能力と呼称することにしました。







 七十三番目の悪魔。








 その生誕に、祝詞を捧げる。








 天性の声優たる、その転声の能力を目撃せよ。






「ビターエンド派……ですから」






 空羽七十三くうはしちじゅうさん 転声の声優てんせいのせいゆう


 https://kakuyomu.jp/works/4852201425154889345







 アニメが聖書に劣るなどと、誰が決めたんですか










 最大級に難しかった。


 どれもこれも、難しくピックアップするのに悩むくらいの魅力があるということでしょう。


 声優って言えば一番声優にハマっていた時は、スフィアとか活躍してましたね←年がバレる。


 イマハドコニイッタンダロウナー(遠い目)。


 5位の方は編集が終わってから再度読ませていただいてからで、7位の方のは続きを読ませて頂いているので、あと二、三日後くらいになると思います。






 そろそろ第1位をやらなきゃいけないじゃないですか。


 よし、紹介しなきゃ(使命感)。


 ちなみに、紹介文全部終われば順位順に並び替えます。

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