ソーレディの歌-Unsung suns Lovesong- 糾蝿カフク様 紹介文

 今まで読もう読もうと思っていたものを少しずつ消化しているのですが、読んだ後に感想を考えなくていいのって、楽ですね(重症)。


 今日もスイッチを全然できませんが、連載中の話の続きを少しずつでも書けました。


 改めて、書く楽しさを実感です。


 そして、あまり関係ない話なのですが、有給を今年中に後15日使い切らなければ、なくなってしまう(うっかり)


 休んで沖縄あたりで一週間くらいぼーっとしたい。遠藤です。


 さあ今日も紹介文を書きましょう。


 短い物語ながら、洗練された美しさが流れ込むような物語を、うまく表現できるといいです。








 わたしのことを食べてください


 わたしの命がおいしいうちに


 わたしのことを愛しいうちに









 人食らう魔王は荷馬車を襲う。


 生きる糧を得るそのために。


 助けてくれてありがとう。


 光奪われた少女は言うが。


 礼を言われる筋合いはない。


 なぜなら少女は食料だ。


 食べるために助けた儚い命。


 それでも彼女は恐れずに言う。


 体を穢され、心を折られ、


 光すら奪われた少女は言う


「どうぞ食べるならご自由に。食べるにはだいぶ汚い体ですけど」





 困惑魔王はすぐには食べぬ。


 そうだ食事は、よりおいしくなってからとるものだ。


「今食べるには汚すぎる。お前は必ず私が食べよう」


「お優しいのですね」





 食事を与え、湯浴みをさせて、衣服も揃ったソーレディ。


 罰を背負った真っ黒な眼窩。両の穴には映るものなどなにもない。


「どうだね。少しはおいしくなったかね」


「私には私が見えません。おそらく酷いなりをしているのだろうとだけ思います」


「お前はなぜ斯様な姿になったのか」


 ソーレディは語る。


 かつて栄えた王国の、憎悪を集めた王の娘。


 悪意の業火を身に浴びて、滾る情欲の糧にされ、


 どこか壊れた哀れな少女。


 ソーレディは繰り返す。


 壊れた機巧のように、壊れた心を繰り返す。





 わたしのことを食べてください


 わたしの命がおいしいうちに


 わたしのことを愛しいうちに






 半年経っても未だなお、


 食事とは認められていない。


 ソーレディは不満げだ。


 魔王はまだまだ少女を食べぬ。


 魔王自身もわからない。


 餌に対するこの悩み。


 千年生きる魔王でも、知らないことはあるものだ。






 ソーレディは歌を歌う。


 水辺に足つけ歌う姿。


 見えぬ月に捧げる音。


 魔王はとても美しく思う。


 歌の意味などわからない。


 けれども魔王は


 とても美しく思う。






 わたしをたべて


 わたしをたべて


 わたしをたべて


 この世が天国であるうちに


 せめてあなたのお役に立って


 この生を終えたいですわ







 お前は必ず私が食らう。だから安心して美味しくなれ。


 そういった魔王はソーレディを見つめる。


 千年の間見たことがない


 愛しい愛しいその笑顔。


 魔王はとても美しく思う。







 攻め入る軍勢。


 上がる火の手。


 炎が猛る庭にいるのは。


 何も見えないソーレディ。





 ……






 お役に立てたのでしたら


 それはそれはとても嬉しい







 ああ







 おなかはもういっぱいさ









 ソーレディは歌を歌う。





 歌の意味などわからぬが。





 見えぬ器を満たしていたのだ






 わたしを







 食べてもとめて








 ソーレディの歌-Unsung suns Lovesong-


 https://kakuyomu.jp/works/4852201425154919369







 それは沈まぬ太陽を、煌々と照らす愛のうた











 難しすぎて語れない。


 ただ、素晴らしく叙情的で胸を打つ。


 そんな物語であることだけわかっていただければ、それだけで十分です。




 明日は、個人的最大の難関


 な気がします。

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