第37話 最後の3日
施設に移動すると、看取り専用の部屋に移動しました。
広い部屋でした。
職員の方がほんとうに残念そうに、気を使い声をかけてくれました。
そして「この部屋をご家族の方、自由に使用してくださいね、寝泊まりしてくださっても結構ですので、最後まで精一杯お世話させてもらいます」と言ってくれました。
やはりこちらを選んで良かったと思いました。
かなり体温が下がっているようで、湯たんぽを準備してくれ、足元にいれてくれました。
こちらに移動してからおかんも動き出したり、声をかけると、少し目を開け認識した様にも思えました。
時々体を起したりもしました。
ちょっと元気になったのかとも思ったりもしたのですが、苦しのかとも思ったり複雑でした。
その内、娘達から「そっちにむかってる」と連絡が入り、最寄りのバスターミナルに着いたら電話するとのことでした。
少なくとも、娘達が来るまでは、持ってくれと願うばかりでした。
暫くすると、介護計画の担当者がこられて、「計画の変更をしましたので」と丁寧に説明してくれました。
おかんもある程度、意識があるためか、痛そうな顔をし、背中を動かします。
楽そうな位置をさがしながらタオルで位置決めしたりしました。
介護士さんが来て、水分補給すると、少し飲みました。
刻々と時間も過ぎ、館内も消灯となり、そして10時が過ぎたころ娘達からバス停についたとの連絡があり、妻が迎えにいきました。
1人になると、微妙に緊張感がありました。
そうこうして、30分ほど過ぎたころ、娘達が到着しました。
孫もいっしょで暫くぶりだった為、ついおかんのことはよそごとなりましたが、みんなで、おかんに声を掛けたり、手をさすったりしました。
まごも「ひいばあば、きたよ」と声をかけました。
もう、目を開けることはありませんでしたが、少しまぶたが動いた様におもいました。
みんなが揃うまで生きていたのて、取り敢えず一安心しました。
そして、誰も夕食を取っておらず、さすがにみんなで食事に出るわけにいかないので、下の娘と、コンビニに買い出しにいくことにしました。
何か暫くぶりに外の空気を吸うと、ものすごく新鮮に感じました。
部屋に戻り、湿っぽくなるより、みんなで普段通りに賑わしくしてる方がおかんも
喜んでるだろうと、普通に過ごしました。
今日はみんなでここに泊まることにしました。
私も孫と紙飛行機を作って遊んだりしながら、16日が終わり17日にとなりました。
おかんのほうは、あまり動くことは無くなってきました。
楽になったのか、もう意識がなくなっているのかわかりませんが、誰か順番で起きとく様にして、寝ることにしました。
私は、長い1日ですぐに寝てしまいました。
おかんとの最後の5ヶ月 うえおは @Ueoha
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