第36話 そして、看取りへ

私が到着したことを、病院に伝えました。

「待っててください」とのことでした。

直ぐには呼ばれませんでした。

直ぐ来るようにせかされたのにと、妻もすこし苛立ってきていました。

結局40分位待って呼び出されました。

そして、医師の説明が始まりました。

先ほど妻から聞いた内容でした。

そして、医師は「もしかしたら1週間くらい持つかもしれないが、普通なら2,3日の状態です、特養で看取りをされた方が」といいました。

同席してくれていた施設の看護師さんは、「その状態であれば、もう動かさず、このまま病院においていただけませんか」と言いました。

私も全く同じ気持ちで、距離は近いのですが、また移動の負担で急変してもかわいそうやしと思ったのですが、その医師の言葉で即決断しました。

女性の医師でしたが、「それでしたら、改めて入院手続きをしていただかないといけないので、手間ですよ」というのです。

私的には、手続きなど今更なんともないのですが、その医師自身が手間やと言っているとしか思えない口調でした。

ここにあずけるのはかわいそうだと思い、「そうですね、施設のほうでお願いします」と言うと、おそらく施設の看護師さんも同じ気持ちになったと思うのですが、

テキパキと手配を始めてくれました。

直ぐに施設の配車も到着しました。

移動までの間、妻が「娘達にはどう言うたらいい」というので、「とにかく、ありのままを伝えてあげて、どうするかは本人達に判断してもらおう」といい、妻は娘達に連絡しました。

そして、暫くして移動の準備が整い、施設にもどりました。

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