第35話 覚悟を決めた日、それは突然おとずれた
施設からの報告をうけてから、数日間はなにも連絡がありませんでした。
特に不安に思うこともなく、安心していました。
そして、1月16日、この日は兄のIQテストを含んだ診断を取るため、専門医の予約を取っていた日で、仕事も1日休みを取って朝から兄を連れて病院へ来ておりました。
指定の時間に受け付けを済ませ、まずは医師の問診でした。
大体の過去からの状況を説明し、医師の質問に応答という形で終え、IQ診断の呼び出しがあるまで、待機してとのことで、待っていた時でした。
施設から電話が入りました。
電話にでると、いつもの看護師さんとすぐわかりましたが、声のトーンがちがうので、嫌な予感が走りました。
そして看護師さんは「朝からお母さんが元気が無く、食事もしないし、話もしなくなり、担当医から病院へとの指示があったので、今から病院に来てくれますか」といいました。
施設ではこういう場合、病院までは運んでくれるのですが、そこからは家族が引き継ぐシステムとなっているのです。
今すぐ行くのはさすがに難しく、この状況からだと、昼は過ぎるだろうと予想され、おかんが緊迫性があるのかどうかもよくわからない状態でしたので、看護師さんに、今の状況を説明すると、看護師さんは「今すぐどうにかということはないと思うので、それでは午後2時にしましょか」というので「わかりました」と言って電話を切りました。
この日妻も一緒に来ていたので、妻に電話のことを話して、「前もそうだが、施設は大袈裟やから」などと話ているうちに、兄が呼ばれました。
テストなので1時間程度かかり、それが終ると、再度医師の説明があるということで一緒に説明を聞きました。
テスト結果には時間がかかり診断書は4日後の20日に来てとのことで、修了しました。
時間もいい時間になっていました。
兄を連れたまま、おかんの病院の対応も手間と思い一旦連れて帰ることにして、約束の病院はその途中にある為、取り敢えず妻を降ろして、先に対応してもらうことにしました。
特に兄には、おかんことは告げずに自宅に連れて帰りました。
そして病院に向かう途中、妻から電話が入りました。
「今どのへん、もう着く」というので、「今むかってるけどもう少しかかる」というと、妻は「お母さんもうかなりひどくて、すぐに決断が必要やから、先生に早く来て欲しいと言われてる」と言うのです。
「とにかく向かってるので、着いてから」といい電話を切りました。
病院に着き、妻と合流しおかんの所へいきました。
声をかけても反応なく、意識がないような状態でした。
そして妻が医師からあらかた聞いた内容を聞くと、肺の半分くらい水がたまり、心臓が圧迫され、肥大し心不全状態ということでした。
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