後悔と懺悔

何を信じていいのか

分からなくなった夜

後悔しました

いつも私ばかりが

悲しいのだと思っていた

言いしれようのない不安と悲しみは

たぶん、何かを選び

何かを手放さなくてはいけない

その決断の前触れでしょう


小さな事も守り通せたら

こうして今

動けなくなることも

なかったのかもしれません

右にも左にも

前にも後ろにも行けず

動かせる首だけを上げて

空を見ています


神様、ごめんなさい


後悔は懺悔と似た者同士

噴きこぼれる言葉はいつも同じです

私の言葉はあなたを苦しめることさえないと思ってた


何も告げてくれなくても

言葉が足りなくても

まるであなたの心が

見えているような気がしていました

だけどやはり私は

あなたにはなれなず

あなたの中で息づくことも

出来ませんでした


すべてを失ったとしたら

私は宇宙でたったひとりぼっちです

孤独などという言葉が

浮かぶことさえないほど

静かなる隔離

何もない宇宙が

死のように怖いのです

救い出してくれるのは

宇宙船でもあなたでもないと分かっています

ですから

私は遠い遠い小さな青い光を見つめるのです


神様、ごめんなさい


後悔は懺悔より後ろめたい

言葉にならない呻きは祈りです

あなたの嘘は優しいけれど

やはり悲しい


あなたは話してくれないのですか

私はどうしたらいいのでしょう

あなたが苛立っているのかも

悲しんでいるのかも

切り放そうとしているのかも

近づく気配が

私のものなのか

あなたのものなのか

気のせいであってくれればいいのにと

何度も後悔するのです


私がいつか宇宙から消えてしまったら

もう会えなくなるのでしょうか

あなたはこの空に何を見ているのですか


後悔は懺悔とは違う

祈る言葉にあなたが増えました

あなたと出会ったことを後悔したりはしません

動けなくなってしまった自分を悔いているのです


神様、ごめんなさい

二度と会えなくてもいい

ただあの人の幸せを

あなたにゆだねます

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本当は告げたい 海坊主 @moja_kwa_moja

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