サイコパス戦隊レイヤーズが世界を増やす!

ちびまるフォイ

戦え!レイヤーズ!!

説明しよう!!


裏世界戦隊レイヤーズとは人知れず世界を守っている秘密部隊!

レイヤー階層:5に住んでいる君たちが知ることはない!!


彼女たちは今日も敵の侵入を防いでいるのだった!!


レイヤー1:バトル階層

レイヤー2:バトル階層 最終防衛レイヤー

レイヤー3:環境階層

レイヤー4:住宅階層

レイヤー5:人民階層


出動がないときは彼女たちは一介の女子高生。

レイヤー5で今日も平穏な学生生活を送っていた。


「はぁ~~……学校までの道のりが遠いよぉ~~……。

 環境レイヤーに移動して、建物とかすり抜けたいよぉ~~」


「レッド、何言っているの。私たちレイヤーズが

 レイヤー間移動を許可されているのは戦闘だけでしょう」


「ブルーはルールに厳しいんだもん……」


「レッドさん、レイヤー階層上がれば

 このレイヤーに干渉できませんから学校に一直線でついたとしても

 いきなり教室に瞬間移動しちゃいますよぉ」


「イエロー……そこまで言わなくてもいいのに」


「はわわっ、す、すみません!」


そのとき! 彼女たちのブレスレットが光った!!


【 レイヤー1に敵が侵入!! レイヤーズは撃退してください!! 】


「みんな、いくよ!!」

「うん!」「はい!!」


レイヤーズは変身して上位レイヤーへと移動した。

レイヤー1はバトル用の新規レイヤー。障害物も人もなにもない無の空間。

思い切り暴れることができるが……。


「な、なんなの……! この数!!」


レイヤー1にはうじゃうじゃと敵がうごめいていた。

レイヤー1の壁をみるみる削り、レイヤー2へと進行しようとしている。


「こんな数……倒しきれません!」


「イエロー、弱気になっちゃダメ! 私たちのやることは……1つ!

 うおおおりゃああ!!」


レッドは敵に切りかかり近くの敵をどんど倒していく。

ブルー、イエローも加勢するように敵を倒していくがまるで敵が減らない。



【 レイヤー2に敵が侵入!! 進行を防いでください! 】



「もうレイヤー2へ!? そんな!?」


数で強引に押し切る人海戦術。

これまでは少数の強敵との闘いだったが、大量のザコ敵の方がやすやすと進行されるなんて。


「レッド! いったんレイヤーを結合するわよ!!」


「え! でも!?」


「もうレイヤー2には進行されている! レイヤーを統合して一気に片付けないと!」


「……わかった! レイヤー合体!!」


レイヤーの操作は名前に「レ」があるレッドしかできない。

レッドはレイヤー1と2を結合した。


レイヤー2へ侵攻していた敵はレイヤー統合により、レイヤー1へ逆戻り。

レイヤーズとの同じ階層へと戻された。


「もう私たちはぜったいに負けられない!!」


「ここで食い止めます!!」


レイヤーズは満身創痍で敵を倒し続ける。

それでもうごめく巨大な敵影はその大きさを保ち続けている。


「うそ……こんなに倒したのに……まだ敵の全体像が変わっていない……!」


「レッド! 手を止めないで! もう後がないのよ!!」



【 レイヤー3に敵が侵入!! 環境を蝕んでいます 】



「ブルーさん! レイヤー3に侵攻されましたぁ!」

「そんな!?」


ついに環境レイヤーへと侵攻した敵は雲や空を破壊していく。

次の階層は住宅階層。


レイヤー4に進行されれば建造物が壊されてしまう。


「レッド! 何してるの! 急いで!!」


「あれしかない……」


「レッドさん! どこへ!?」


レッドはレイヤー3に降りて戦う仲間を置いて姿を消した。

必死に追いかけようとしたイエローをブルーは止める。


「ブルーさん! レッドさんが!」


「今私たちがここを動いたらますます敵の侵攻を進めてしまうわ!!

 下位レイヤーに1匹でも敵の侵入を防ぐの!!」



【 レイヤー4に敵が侵入!! 建造物が破壊されています 】



ついに敵はレイヤー3に風穴を開けてレイヤー4へと進行。

ブルーとイエローも下位レイヤーに移ったが、

すでに敵はレイヤー5に侵入するための穴を作り始めている。


「ブルーさん! 敵の数が多すぎて、とても抑えられません!」


「そんなの最初からわかってたことじゃない! 弱気にならないで!」


レッド不在の2人態勢でブルーとイエローは必死に戦った。

それでも敵の侵攻は容赦なく進んでいく。



【 レイヤー5に敵が侵入!! 市民が襲われています 】



敵の侵攻は人民レイヤーにまで及ぶ。

ブルーとイエローもすぐにレイヤー5に降りて敵を迎撃した。


 ・

 ・

 ・


敵の数もさることながら戦闘は最長記録となった。

死がいの山を見てブルーとイエローはやるせなくなった。


「なんとか……勝てましたね……」


「ええ。でも結局、レイヤー5に侵入されて人々の多くが死んでしまったわ。

 これが勝利と呼べるのかは……わからないわ」



「ううん、大勝利だよ」


その声に振り返ると、レッドが戻って来た。


「レッド! あなた今までどこへ行っていたのよ!!

 あなたが抜けたせいで私たちはずっと2人で戦っていたのよ!!」


「救えなかった命がいくつもあります……」


「大丈夫よ、これを見て」


レッドはレイヤーを結合すると、市民が元通りに復元されていた。

まるで敵に襲われたことがなかったように誰一人欠けることなく。


「これは……!? レッド、あなたなにしたの……!?」


「みんなが戦っている間、レイヤー5を複製し続けていたのよ。

 今のレイヤー構成を確認してみて」


「これは……!」



レイヤー1:バトル階層

レイヤー3:環境階層

レイヤー4:住宅階層

レイヤー5:人民階層

レイヤー5_コピー(1):人民階層

レイヤー5_コピー(2):人民階層

レイヤー5_コピー(3):人民階層

レイヤー5_コピー(4):人民階層

レイヤー5_コピー(5):人民階層

レイヤー5_コピー(6):人民階層



「敵が侵攻する前にレイヤーコピーをたくさん作っておいたわ。

 これなら6度まで敵に蹂躙されても大丈夫ね!」



裏世界戦隊レイヤーズ。

彼女たちの手によって、あなたのドッペルゲンガーは6人分作られている。


そのことに気付くのはあなたの命が失われたときだろう!!!




終劇!!!

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