第三部 喪神編
【ネタバレ注意】三分で振り返るバベル
※第一部・第二部のネタバレを盛大に含みます。
【第一部 契約の箱編】
時は二〇〇八年。
エクレシアと“
エクレシアに所属する神父・姫良三善は、「釈義」なる異能力を持つ僧兵であり、日々“大罪”との戦いに明け暮れている。しかしその正体は、大聖教に所属する大司教ヨハネス(テオドール)と“七つの大罪”に所属する通称『白髪の聖女』(姫良真夜)の実子である。その影響か生まれつき身体が弱い三善は、『楔』という能力を用いてヨハネスと繋がることで延命していた。
ところが、その能力は有限であり、さらに主席枢機卿であるジェームズが三善に穿たれた『楔』を壊したために、三善はもう長くは生きられないという事実を突きつけられる。
三善の師であるケファ・ストルメントがその状況を打破するための方法を模索していたところ、『契約の箱』という釈義が存在することを知る。それについて調査を進めるにつれ、ケファは『契約の箱』の正体、そしてこの世界がヨハネスにより何度も時間遡行を繰り返しているということを知る。
それとほぼ同時期、三善は“嫉妬”から聞いた『一〇〇九三回』というキーワードを元にエクレシア閉架一三階を訪れる。そこにいたのは釈義により意識だけを保存した『白髪の聖女』。三善はケファがたどり着いた真相を、彼女の口から聞かされることとなる。
ヨハネスが時間遡行を繰り返す理由はただひとつ。
世界が終わる『終末の日』の到来を防ぐこと――。
そのために三善の存在は絶対に外すことができなかった。ケファは三善に、「誕生日プレゼント」という名目で己が保持する『聖ペテロの釈義』――『契約の箱』を渡すことにする。
その結果『
――その後、ケファが乗った飛行機が海へと墜落。以降、彼からの連絡は途絶えた。
【第二部 パンドラの匣編】
時は経ち、二十一歳となった三善は司教として箱館支部へ勤務していた。
ある日彼の元に、ひとりの少年がやってくる。名を
ホセが言うには、彼には正体不明の釈義『パンドラの匣』が眠っているのだという。突き返す訳にもいかず、三善は渋々彼の面倒を見ることにする。
何も変化のない、穏やかな日常。
そう思っていた矢先、三善はひとりの神父と出会う。その名をヨハン・シャルベルと言った。彼の姿はあまりにケファに似ており、今まで「ケファの代わり」のつもりでいた三善はひどく混乱する。
自分は一体何者なのか――。
そんなことを考える三善の元に、「行方不明となっていた大司教が見つかった」と連絡が入る。三善は彼と再会し、ヨハネスが持つ釈義『時間遡行』の能力をコピーした。
その頃本州では街が塩に覆われる『塩化現象』に見舞われており、エクレシアはその対応に追われていた。窮地に追いやられたエクレシアは、三善を次代の大司教に任命し、その対応にあたらせることにする。
大司教に就任した三善は、『塩化現象』が発生するメカニズムを踏まえ「それを打ち消す方法」を策定する。
箱館地区で最も『塩化現象』が発生しやすい条件が揃う日、三善は釈義の能力者を箱館地区の各地へ送り出した。
ひとりになった時をねらい、主席枢機卿ジェームズの部下である異端審問官・カナに襲撃される三善。そしてそれをかばい、橘が『パンドラの匣』を開く。
――彼の能力により、生きとし生けるものすべてが『塩化』した。
その対価として身体を失いそうになる橘に、三善はケファから引きついだイヤー・カフを渡し、「迎えに行く」ことを約束する。
そしてはじまる、一〇〇九四回目の時間遡行。
三善が戻ったのは、ケファと別れた『あの日』だった。
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