※解説は間違っている可能性があります。あらかじめ、ご了承ください。


※「ー」は前の文字の母音(例:カーブ→カアブ)として扱っています。




●リアル二刀流

 ピッチャーとして試合に出て打席にも立つタイプの二刀流の事。


 現代の二刀流の代表格である大谷翔平は、日本でもアメリカでもDH制があるリーグに所属しているという事もあって、通常は「ピッチャーとして試合に出る日は打席に立たない」「DH(指名打者)として試合に出る日は投げない」という方法を取る。これはリアル二刀流ではない二刀流。


 ただ、DHありの試合でもDHを使わない事は出来るので、大谷も1番ピッチャーで試合に出て先頭打者ホームランを打ったりしている。こっちはリアル二刀流。


 DHなしならピッチャーも打席に立つが、二刀流じゃないピッチャーが打席に立ってもリアル二刀流にはならない。ただのピッチャーの一刀流。



●リーディングヒッター(=首位打者)

 規定打席に到達した選手の中で最高打率を記録した選手の事。最多安打を記録した選手とは限らない。


※規定打席=試合数×3.1(小数点以下は四捨五入。プロ野球では443。メジャーリーグでは502)


※打率=ヒット数÷打数


※基本的に、打席数と打数は一致しない。フォアボールなどがあった時は、打席数にはカウントされるが、打数にはカウントされない。そのため、打数は打席数を下回るのが普通。


 規定打席に到達しなかった選手の場合は、打席数が足りなかった分を打数(打席数ではない)に足して打率を計算し、その打率がリーグ最高打率だったなら首位打者になる。


 しかし、打席数が足りなかった分はヒット0として計算されるので、この計算で最高打率になる事は滅多にない。



●リード

 いろいろな場面で使われる言葉であり、いろいろな意味で使われる言葉。


「3点リード」なら「3点勝っている」という意味。


「ランナーがリードを取る」なら「ランナーが塁から離れる」という意味。

 リードが大きいと、次の塁に到達しやすくなるが、牽制アウトの危険性も高まる。


「キャッチャーがピッチャーをリードする」と言う時の「リード」は「打たれないような配球(=球種やコースの指定)をする」という意味。ピッチャーの精神面のケアなども「リード」に含まれる。



●リードオフ

 ランナーのリードの事。


 ランナーがリードを取る時、ピッチャーが投げる前のリードが第1リードで、ピッチャーが投げる時にリード幅を広げたものが第2リード(シャッフル)になる。


 第1リードは、ピッチャーが牽制球を投げる可能性があるため、牽制された時に塁に戻れる距離にしておく。


 第2リードは、ピッチャーからの牽制はないタイミング(ピッチャーがバッターに対して投球するタイミング。タイミングが早いと牽制される可能性がある)を見計らって行う。2~3歩分リードを広げる事が多いと思う。


 リード幅が大きいほど次の塁に近付くが、ライナーなら元の塁に戻らないといけないので、ライナーの場合はリード幅が大きいとアウトになりやすくなってしまう。



●リードオフマン

 1番バッターの事。



●「リーリー」

 ランナーに対して言う時は「リードを取れ」という意味。


 ランナーが言う時は、相手チームの選手(特にピッチャー)に対して「リードを取っているぞ」という意味でプレッシャーをかける。



●力感

 力を入れている感じの事。


・力感がある:力いっぱいな感じに見える


・力感がない:力を入れている感じに見えない(見た目通りとは限らない)



●リクエスト

 プロ野球における「ビデオ判定を要求出来る制度」で、2018年から導入。メジャーリーグの「チャレンジ」と根本的な部分は同じだが、細部はいろいろと違う。


「チャレンジ」については、下記URLのエピソードで解説。

https://kakuyomu.jp/works/1177354054884198528/episodes/1177354054884198639


 チャレンジでは、ビデオ判定を行うスタッフがニューヨークにいる。どの試合のビデオ判定も彼らが担当し、その結果が審判に伝えられる。


 チャレンジでビデオ判定を行うのは専門のスタッフだが、リクエストの場合は審判が行う。


 また、ビデオ判定に使われる映像にも違いがある。


 チャレンジは、チャレンジ用の映像(いろんな角度から撮影している)を見て判定する。全球場に撮影機材が設置されているのだが、かなり高額らしい。


 リクエストで使う映像は、テレビ局が中継用に撮影した映像。視聴者も審判も同じ映像を見るという事になる。


 テレビ中継用の映像を使う事で、球場にカメラを設置する必要がなく、お金も時間もかけなくて済んだとか。

(お金も時間もないから中継の映像を使う事にしたとか)



●リグレーフィールド(リグリーフィールド)

 シカゴ・カブスの本拠地。「リグレー」はオーナーの名前。30あるメジャーリーグの本拠地の内、2番目に長い歴史を持つ。

(1番はボストン・レッドソックスのフェンウェイパーク)


 オーナーのリグレーが「野球は太陽の下でやるものだ」と考えていたため、長きにわたってナイトゲームが行われなかった。そもそも、ナイトゲームをやるのに必要な照明が存在しなかった。照明を設置して最初のナイトゲームが実施されたのは1988年の事である。


 カブスが勝った時には「W」と書かれた旗(「ウインフラッグ」と呼ばれる)を掲げる。負けた時は「L」の旗になる。


 リグレーフィールドの最大の特徴は、外野フェンスを覆うツタ。春や夏は緑色だが、秋になると黄葉する。このツタに打球が引っかかってしまったり、ツタに隠れて見えなくなってしまう事もある。


 そのような時、野手が「引っかかって取れない」「見えなくなった」とアピールをすれば、グラウンドルールで二塁打になる。三塁打になりそうな時は、ボールを取れそうな時でもアピールするとか。アピールが認められれば、二塁打で被害を抑えられる。一種の頭脳プレー?



●リザーバー

 控え(リザーブ)の選手の事。



●(メモ入りの)リストバンド

 メジャーリーグのキャッチャーは、メモ(カンペ)を搭載したリストバンドを使う事が多い。

(アメフトでも同じようなリストバンドを使う)


 リストバンドにフタ(?)が付いており、パカッと開けるとメモがある感じ。右手でフタを開け閉め出来るように、リストバンドは左腕に着ける。

(通常、キャッチャーは右投げ)


 メモに何が書いてあるかは、キャッチャーによって多少異なるだろうが、選手のデータやサインなどが書いてあるんだと思う。メジャーリーグの選手は多国籍なので、ピッチャーとコミュニケーションを取れるように、外国語(日本語とか)をメモしている事もあるらしい。


 プロ野球では、メモを搭載したリストバンドを使う選手はあまりいないと思う。



●(投球の)リズム

(ピッチャーがボールを受け取り、バッターが打撃を行う準備が出来た後の)ピッチャーが次の1球を投げるまでの間隔(時間)は、ピッチャーによって長かったり短かったりする。


 投球間隔が短くポンポン投げ込む時は「投球テンポ(リズム)がいい」と言われる。テンポが速いピッチャーが先発をすると、普段より試合時間が短くなりやすい。


 速すぎて逆にテンポが悪い時は、投げ急いでテンポが狂っている感じ。少し遅くても、それで一定しているなら、テンポは遅いが悪くはない(ゆったりとした曲がテンポは遅くても悪くはないのと同じ)。


 速くても遅くても、ピッチャーが本来のテンポで投げている時はテンポがいい。いつもと違うテンポになっている時は、守っている野手も「もう投げるの?」「まだ投げないの?」と守りにくくなるので、野手の守備のテンポまで狂ってしまう。


 ピッチャーは、自分のテンポで投げている時はピッチングもよくなりやすい。テンポが悪くてピッチングがいいという事はまずない。



●リタッチ

 帰塁しなければならない塁(元いた塁)に戻る事。「帰塁した状態で打球が捕られるのを待ち、捕球を確認してから次の塁を目指す事」という意味でも使われる。



●率

 打率の事。打率はヒットを打った率の事で、ヒット数を打数(打席数ではない)で割った時の数値。打率は「厘(=小数点第3位=1000分の1の位)」まで表記される。


※小数点第4位(=1万分の1の位)は四捨五入



「1割2分3厘」を数字で書くと「.123」あるいは「0.123」となる。

(基本的に、最初の「0」は省略される)


「2割5分0厘」は「.25」ではなく「.250」と書くのが普通。


「3割0分0厘」は「.3」ではなく「.300」と書くのが普通。


「0割0分0厘」は「0」ではなく「.000」と書くのが普通。


「10割0分0厘」は「1」ではなく「1.000」と書くのが普通。



 日本語で書く時は「0割」「0分」「0厘」は省略される事が多い。「4割」「5分」「8厘」「2割7分」「3割3厘」「9分1厘」などである。


「.250→にひゃくごじゅう」「.300→さんびゃく」といった表現をする事もある。



●リトルガイ

 小柄なメジャーリーガーの事。近年、小柄な選手が活躍する年が続いている。小柄かどうかの基準は約180センチ。


 プロ野球では175センチでも大して小さくはない(決して大きくはない)が、メジャーリーグでは小柄な部類に入る。



●竜

 中日ドラゴンズの事。



●両打ち(=スイッチヒッター)

 右打席でも左打席でも打てるバッターの事。バッターによっては、右打ちと左打ちとでフォームが大きく違う。「スイッチバッター」や「両バッター」という言い方はしない。


 基本的に、相手が右ピッチャーなら左打席に入り、左ピッチャーなら右打席に入って打つ。右対左や左対右の対決では、バッターの方が有利とされているためである。


 日本では、スイッチヒッターは足が速い選手が多い。元々は右打ちだった事が多く、足の速さを活かすために、一塁に近い左打席に立つようになったケースが多い。

(野球は左打ちの方が有利とされるので、左打ちから両打ちになる事は少ない)


 左ピッチャーよりも右ピッチャーの方が多いので、スイッチヒッターは左打席に立つ機会が多くなる。また、左打席の方が成績がいい選手が多い。その要因の1つが内野安打の増加で、一塁に近い分、内野安打が増える。


 プロ入り後に両打ちになった選手も大勢いる。「右打ち→両打ち→左打ち」というパターンもある。


 メジャーリーグでは、ベンチ入り人数が少ない事もあり、両打ちの選手(1人で2役)は必須となっている。日本では両打ちの強打者は少ないが、メジャーリーグには何人もいる。また、日本では極めて稀な左投げ両打ちも、メジャーリーグでは珍しくない。


 なお、両打ちで登録していない選手でも、好きな方の打席に立つ事が出来る。1度の打席の間に「右打ち→左打ち→左打ち→右打ち」とかも出来る。



 こんなエピソードもある。


 2016年9月26日(アメリカ時間)の試合、左打ちのディー・ゴードンが最初の1球だけ右打席に立った。その時に被っていたのは、前日に事故で亡くなった親友のホセ・フェルナンデスのヘルメット。2球目からは左打席に入り、2ボールからの3球目をホームランにした。ゴードンにとっては、これがシーズン唯一となるホームランだった。



●両投げ投手(=スイッチピッチャー)

「右でも左でもキャッチボールくらいなら出来る」という選手ならば、それほど珍しくもない。


 近年、体のバランスがどうのこうの歪みがウンタラカンタラという理由で、利き腕ではない方でもキャッチボールをする選手が増えている。しかし、試合でも使えるレベルまでに両投げを体得している選手は少ない。


「少ない」だけで現実に存在し、右手にも左手にも装着可能な特殊なグローブも存在する。普通のグローブは左右非対称だが、両投げ用は左右対称になっている。


 スイッチピッチャーは、相手が右打ちならば右で投げ、左打ちならば左で投げるのが基本となる。一般的に、右対右や左対左の対決では、ピッチャーの方が有利とされているからである。

(右バッターでも右ピッチャーの方が打ちやすいという選手も多いが)


※グローブを手にはめて「こっちの手(グローブをしてない方の手)で投げるよ」というアピールをしないといけない。


 英語では「Ambidextrous Pitcher」と言うのだが、この言い方は日本では広まりにくいと思う。あんびでくすとらぅすぴっちゃー。



 スイッチピッチャーとスイッチヒッターが対戦する際には、ピッチャーの方が先に投げる手を決める。そのバッターとの対戦が終わるまでは投げる手を変更出来ない。ただし、打席の途中で代打が送られた時やケガをした場合などは変更出来る。


 ピッチャーが投げる手を見てから好きな打席を選べるので、バッター側に有利な感じになっている。打席の途中でも、どっちで打つかを変更可能。


 このルールはパット・ベンディティー(パット・ベンディット)の登場で作られたもので、彼の名を取って「ベンディティー(ベンディット)ルール」と呼ばれる。


 このルールが作られる前、ベンディティーはマイナー時代にスイッチヒッターと対戦している。その時に「お前が左で投げるなら右で打つぜ」「そっちが右で打つなら右で投げるよ」「じゃあ左で打つ」「だったら左で投げる」というやり取りで5分くらいかかった。


 現在のルールとは逆に、審判が「バッターがどっちで打つかを先に決めなさい」と言って右対右の勝負で三振になった。

(5分も見てないで、もっと早く審判が決めても良かったんじゃ……)



●両翼

 レフトとライトの事。「左翼と右翼」という意味でも「左翼手と右翼手」という意味でも使われる。


「両翼95メートル」なら、レフトまでの距離とライトまでの距離が95メートルあるという事。


「強肩の両翼」なら、レフトとライトの選手が強肩だという事。



●リリース

 ボールを投げる時に、手からボールが離れる(ボールを放す)事。日本語では「球離れ」と言うと思う。基本的に投球時に用いる言葉で、送球の時に使う事は少ない。


「ピッチャーがリリースした時の手の位置」を「リリースポイント」と言う。


「リリースポイントが投手板からどれだけ前にあるか」を示した数値が「エクステンション」で、この数値が大きいほど、バッターの近くでリリースしている事になる。


※背が高い選手ほど腕が長いので、エクステンションの数値も大きくなりやすい。



●リリーバー(=救援投手)

「リリーフ(relief)する人」を「リリーファー」ではなく「リリーバー(reliever)」と言う。あるチームが1試合に4人のピッチャーを使ったなら、1人目が先発ピッチャーで2人目から4人目はリリーバーになる。


 日本語では「救援投手」と言うのが正式だと思うが、「中継ぎ(投手)」や「リリーフ(投手)」と言う事の方が多いと思う。

 


●リリーフカー

 リリーフ登板するピッチャーが乗る車の事。これに乗って、マウンドの近くまで移動する。


※一部の球場でのみ使用されている。



●リリーフ登板(=救援登板)

 試合の途中から登板する事。つまり、先発登板以外は全てリリーフ登板。「リリーフする」とも言う。


 現在、リリーフは1イニング(=アウト3つ)限定の登板が基本となっている。


 1イニングよりも短いリリーフ登板は「ショートリリーフ」と呼ばれる。


 1イニングよりも長いリリーフ登板(特に2イニング以上のもの)は「ロングリリーフ」になる。



●リリーフピッチャー(リリーフ投手)→リリーバー



●離塁

 占有権が有る塁(この塁に触れている間はアウトにならない)から離れる事。離塁している時にタッチされたらアウトになる。


 打球がフライやライナーになった時、野手が打球に触る前に離塁していたら、元の塁に戻らないといけない(捕球が完了していなくても触ったら離塁して大丈夫)。戻る前に触球(=塁に送球・ランナーにタッチ)されたらアウトになってしまう。



●臨時代走

 デッドボールを受けたバッターや塁上のランナーがケガの治療をする時、ケガの治療をしている間、代理のランナーを出す事。


 臨時代走のランナーは、ケガをした選手の前の打順の選手の内、塁にいなかった選手。ただし、ピッチャーは臨時代走で出られない。ケガの治療が終われば、元のランナーと交代。


 臨時代走に普通の代走を出した場合、ケガをした選手に代走を出した事になる。

(ケガをした選手は試合から退く事になる)



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