※解説は間違っている可能性があります。あらかじめ、ご了承ください。


※「ー」は前の文字の母音(例:カーブ→カアブ)として扱っています。




●塁(=ベース)

 塁は4つあり、1つだけ五角形なのが「本塁(=ホームベース)」。これは右打席と左打席の間に置かれている。


 他の3つは四角で、本塁側からグラウンドを見た時に右前方にあるのが「一塁(=ファーストベース)」。正面にあるのが「二塁(=セカンドベース)」で、左前方にあるのが「三塁(=サードベース)」になる。


 ランナーは元々はバッター(代走で出た選手は別)であり、ランナーは「打席→一塁→二塁→三塁→本塁」と進む。3アウトになるまでに本塁まで進めれば点が入る。


 一塁・二塁・三塁は厚みがある。「キャンバス」とも呼ばれる。

(例えば、一塁は「ファーストキャンバス」とも言う)


 本塁は平ら。こちらは「ホームプレート」や「ベース板(ばん)」という呼び名がある。

(球審(ホームベースのとこの審判)は「プレートアンパイア」とも言う。ホームベース以外もベース板と言う事がある)


 一塁・二塁・三塁は「~塁ベース」という言い方もする。「塁=ベース」なので本来は変なのだろうが……「一塁」は「一ベース」ではなく「一塁ベース」と言う。

(「本塁ベース」とは普通は言わず、「ホームベース」と言うのが一般的)



 以下の4点を結ぶと27.43メートル(=90フィート)四方の正方形になる。

(ただし、ベースの厚さは無視している)


・A:ホームベースの先端(キャッチャー側の尖ってる所)

・B:一塁ベースの外野側のファールラインに乗っている方の角

・C:二塁ベースの中心

・D:三塁ベースの外野側のファールラインに乗っている方の角


 つまり、ホームベース・一塁ベース・三塁ベースは正方形に収まるように置かれているが、二塁ベースは正方形から少しはみ出した状態になっている。


 なお、A~C、B~Dの距離は38.795メートルになる。



●塁が埋まる

 満塁になる。



●塁が詰まっている

 ランナーが「一塁」「一塁・二塁」「一塁・二塁・三塁」にいる事。

(「一塁・三塁」の時は詰まっていない)



●塁間

 ある塁と次の塁の間の事。一塁と二塁の間、二塁と三塁の間など。


※2023年より、メジャーリーグでは一塁・二塁・三塁のベースが大きくなる。これにより、ベースとベースの距離も少し短くなる。



●塁球

 ソフトボールの事。



●塁上のランナー

 一塁ランナー・二塁ランナー・三塁ランナーの事。バッターランナーもランナーの一種ではあるが、まだ「塁上のランナー」にはなっていない。



●塁審

 一塁・二塁・三塁の近くにいる審判の事。「一塁塁審」「二塁の塁審」「サードの塁審」のような呼び方をする。



●~塁打

 バッターが二塁まで行くヒットは「二塁打(ツーベースヒット)」で、三塁まで行くと「三塁打(スリーベースヒット)」になる。ホームランは本塁まで行くので「本塁打」と言う。


 シングルヒットは一塁まで行くが、普通は「一塁打」ではなく「単打」と言う。

(一塁打でも意味は通じると思う)



●塁打数(TB/Total Bases)

 ヒットを打ったバッターが何塁分進んだかを表す数字の事。塁打数が多いほど、より先の塁に行った事になる。つまり、得点しやすい状況を作った事になる。単に「塁打」と言う事も多い。


 塁打は「シングルヒット(単打)なら1」「ツーベースヒット(二塁打)なら2」「スリーベースヒット(三塁打)なら3」「ホームラン(本塁打)なら4」「ヒットじゃないなら0」になる。


※フォアボールなどでも一塁まで進むが、ヒットではないので塁打は0。


 塁打を合計したものが「塁打数(合計塁打数)」で、通算塁打数の上位にはホームランバッターの名前が並んでいる。


「三振/シングルヒット/デッドボール/ホームラン/ホームラン」なら「0+1+0+4+4」で「塁打数9(=9塁打)」になる。自分のヒットだけで9つの塁を踏んだという事である。



「長打率」というものがあるが、それは「長打を打った率」ではない。「塁打率」と考えた方が分かりやすいと思う。

(「長打率」という日本語訳自体は誤訳ではない)


※長打率=塁打数÷打数=1打数にヒットで何塁進んだか



●塁の占有権

 自分が占有権を持つ塁を踏んでいる限り、ランナーはアウトにならない。


 占有権は、前のランナーにある場合と後ろのランナーにある場合の両方がある。


 フォース状態(進塁の義務がある状態)にないランナー2人が同じ塁を踏んでいる時は、前のランナーに占有権が与えられる。


※バッターがバッターランナーとなると、一部あるいは全部のランナーがフォースの状態になる。


 ランナーがフォース状態にある時は、後ろのランナーに占有権がある。


 一塁ランナーが二塁に、二塁ランナーが三塁に行く義務があるとする。この時、一塁ランナーと二塁ランナーの2人が二塁を踏んでいたら、二塁は一塁ランナーの物。


※後ろのランナーが進塁の義務を果たしている状態で、前のランナーが義務を果たしていない状態。


 いずれの場合も、占有権がないランナーは、塁を踏んでいてもタッチされるとアウトになる。フォース状態のランナーは、進塁先の塁(一塁ランナーなら二塁)にボールが送られてもアウトになる。



●塁を与えられる

 フォアボールやエンタイトルツーベースなど、ランナーやバッターが特定の塁まで進む事を「塁を与えられる」と表現する。


 フォアボールやデッドボールなら、バッターは1つの塁を与えられて一塁に進む。塁が詰まっていたならランナーも1つ進塁し、満塁だった時は押し出しで1点入る。


 エンタイトルツーベースなら2つの塁を与えられ、バッターを含む全ランナーが2つの塁を与えられる。3つ以上進んでいたら戻される。


 ホームランなら4つの塁を与えられ、バッターを含む全ランナーがホームまで進む事が出来る。


 ただし、塁を与えられた時でも、塁を踏み忘れたらアウトになる事も。前のランナーを追い越してアウトになる事も。



●塁を追い出される

 後ろのランナーのために塁を空けざるを得ない事。フォース状態に限らない。


 例えば、ランナーが一塁・二塁の時に2人が盗塁(ダブルスチール)を試みたとして、なんやかんやで「一塁ランナーは二塁に到達」「二塁ランナーは二・三塁間」という状況になったとする。この時、二塁ランナーは塁(この場合は二塁)を追い出された状態になっている。



●塁を蹴る

 次の塁に向かう事。「二塁を蹴る」なら「三塁に向かう」という意味。「二塁を蹴り飛ばす」という意味ではない。

(稀にだが、ブチギレて塁を蹴り飛ばす人もいたり……)



●塁を賑わす

 ランナーが塁に出る機会が多く、常にランナーがいるような状態の事。たまにランナーが1人出るくらいでは賑わってない。



●~塁を踏ませないピッチング

「三塁を踏ませない」なら「ランナーを三塁に進ませなかった」という意味。この場合は「二塁は踏ませた」というニュアンスが含まれる。


 2アウトでフライが上がった時にランナーが三塁を踏んだとしても、フライが捕球されて3アウトになれば、ランナーは三塁に進んだ事にはならない。



●ルーキー・オブ・ザ・イヤー・アワード(=最優秀新人選手賞)

 メジャーリーグの新人王(ルーキー・オブ・ザ・イヤー)に与えられる賞の事。


 最初の新人王に選ばれたジャッキー・ロビンソン(近代メジャーリーグ史上初の黒人選手)にちなんで「ジャッキー・ロビンソン賞」とも言う。


 メジャーでの打席数・登板数・在籍日数が少なった選手であれば、メジャー1年目の選手ではなくても受賞の可能性がある。


「プロ野球から移籍した選手は新人として扱っていいのか」という議論は度々生じている。


 今のところ、プロ野球から移籍した選手も新人として扱われている。これまで、以下の4人が受賞した。


・野茂英雄(投手/ナショナルリーグ/1995)

・佐々木主浩(投手/アメリカンリーグ/2000)

・イチロー(外野手/アメリカンリーグ/2001)

・大谷翔平(投手&指名打者/アメリカンリーグ/2018)



●ルー・ゲーリッグ

 三冠王にもなった選手だったが、筋萎縮性側索硬化症(ルー・ゲーリッグ病)で引退。彼が使っていた背番号4はメジャーリーグ史上初の永久欠番になった。


 引退セレモニーでは、大勢のファンの前で以下のように述べた。 ※筆者訳


「ファンの皆さん、これまでの2週間で、あなた達は(私の)不運について(の記事を)読んでいた(でしょう)。しかし今日、私は自分の事を地球上で最も幸運な男だと思っています」



●ルー・ゲーリッグデー

 メジャーリーグでは、2021年より、6月2日をルー・ゲーリッグデーとした。ルー・ゲーリッグの功績を讃えるとともに、ALS患者支援のために制定。


 6月2日は、彼がデビューを果たした日であり、彼の命日でもある。


 選手たちは「4」「ALS」と書かれたワッペンなどを着用した。



●ルー・ゲーリッグ病

 筋萎縮性側索硬化症(ALS/Amyotrophic Lateral Sclerosis)の事。


 ルー・ゲーリッグがかかった事で知られ、そのために「ルー・ゲーリッグ病」とも呼ばれている。


 筋肉が萎縮(筋力が低下)してしまう病気で、呼吸に関わる筋肉も動かなくなってしまう。多くの場合、呼吸不全で死に至る。


「筋肉の病気」ではなく「筋肉を動かす神経の病気」と言った方が正しいが、ルー・ゲーリッグの時代から80年になる現在においても、はっきりとした原因は分かっていない。

(ルー・ゲーリッグの死後、彼の妻はこの病気の研究を支援し続けていた)


 治療法も確立されていないが、iPS細胞を用いて治療出来るのではないかと研究が進められている。



●ルーティーン

 ラグビー選手や力士のルーティーンが注目を集める前から、多くの野球選手にルーティーンがあった。


 分かりやすいルーティーンだと「マウンドの上で胸に手を当てる」とか。

 分かりにくいルーティーンだと「ラインを越える時は必ず左足から」とか。



●ルート効率

 フライ(ライナーを含む)を追う外野手が通ったルートの効率の良さ。スタットキャストの項目の1つ。


 打球の落下地点まで一直線に行くのが最も効率の良いルートで、この時のルート効率は100になる。

(選手も機械ではなく人間なので、ルート効率が100になる事はまずない)


 蛇行しながら打球を追うと、無駄が多い(効率が悪い)ルートを通る事になり、ルート効率は低下する。


 ルート効率が97~8になれば、無駄のない動きだったと言っていいと思う。



●ルール5(ファイブ)ドラフト

 MLBの規約の第5条(ルール5)で定められている制度。


 アメリカでは、プロじゃない選手を指名するドラフト(ファーストイヤードラフト/ルール4ドラフト)の他、既にプロになっている他球団の選手を指名する「ルール5ドラフト」がある。


※日本のドラフトは、プロじゃない選手を指名するファーストイヤードラフト。


 下にいる若手が活躍出来るかどうかは、上のチーム事情によって大きく左右されている。


 ケガ人やスランプの選手が多いチームは下から若い選手を招集するが、そうでないチームは若手が上に行く機会が限られてしまう。


 結果、将来有望だった選手がマイナーで飼い殺しになってしまう事も。


 それを防ぐための制度がルール5ドラフトで、この制度で移籍して活躍出来た選手も多い。近い内に日本でも導入されるかも?


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