04. 第3の執筆姿勢

 私の最後の二次創作である『月下』。これが未完なのは、不満が原動力だった為ではなく、また別の理由がある。


 二次創作は、遊びだ。高圧的なものと戦いつつ、しかも同系の人達の共感を得る見込みがない中、続ける意欲はどうしても保ちきれなかった。


 つまり、自身の不満が原動力でなくなったからこそ、読者の喜ぶ顔が見えないという事実は作家の胸に刺さって意欲を腐らせる。自分の作品の完成で自身を最優先に救済する事ができないからだ。


 ここに大きな壁の存在を実感した。


 今回のオリジナル『ライム・ライト』は、試みとして第3の執筆姿勢をスタート時点から採用している。読者を想定せず、不満を原動力にもせず、「ただひたすら当所の企画通りに一定のモチベで書き続ける自分自身」を完成させる事を狙いとした。


 第2話の後半までに間延びをしている箇所はあるが、手法そのものは私と上手くマッチしている。勝利達を書いていて楽しいし、その感覚を維持できている事が、最近ようやく少し自信なるものに繋がり始めた。


 精神的に上向きつつあるのは間違いない。遂にここまで来た。「もう無理かも」と思った時期もあったが、キャラはいつも上手く動いてくれる。それを、書いている最中に実感でき、「書く事で元気をもらう」という私なりの形が見えてきた。


 軟体動物のような自分の定まらないナニカから、目指す形の野中炬燵へ。2017年1月から執筆を始めて、書き方を掴み、定まったものを少しづつ自分に与える事ができ始めたように思う。


 今後も私は、第3の執筆姿勢を続けてゆくつもりだ。辛い事があっても書く手は止まらない。それを、人生で初めて体験している。


 それを実感して、まず一歩。


 一つのケースとして、私の話を残してゆきたい。

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自分なりの執筆姿勢でキャラクター・エンターテインメント小説を書く 野中炬燵 @Nonaka_Kotatsu

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