童話ドア
長門葵
第0話
「ねぇねぇ知ってる?」
「知らない」
「嘘だぁ。私が知ってるのにあなたが知らないわけがない」
「知らない」
「そう。でも、私は知ってるわ」
彼女は笑っていた。
彼女が笑っていた。
夢の中ではそうだった。
「貴方はひどい人」
「知らない」
「貴方は裏切り者」
「知らない」
「貴方はバカ」
「知らない」
「貴方は弱虫」
「知らない」
「貴方は臆病」
「知らない」
「貴方が嫌い」
彼女はそういって姿を消した。
「知ってるよ」
俺は夢の中でもう会えない彼女にそう呟いた。
童話ドア 長門葵 @nagato_aoi
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。童話ドアの最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます