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    「鵝車」がおもしろそうだったので用例をちょっと調べてみました。

    『新唐書』南詔傳
    「膏炬を投じ、車は焚けて箱間の蠻卒は盡く死す」
     箱の中に人が入って押していたことは確定。

    『金史』完顏鐵哥傳
    「匡の德安を圍むに鐵哥は攻城を總領し、壘を德安の南鳳凰臺に築く。城に並びて甬道を作り、鵝車を立てて樓に對して之を攻め、張統制の兵を擊ちて走らす」
     「立てて」と「樓に對して」から高さがあったと推測できそうです。
     雲梯と併記される事例が多いのも傍証になるかも知れません。

    『金史』を読んで思い出すのが「樓車」ですが、用例を比較すると「樓車」は『史記』から『新唐書』までに用例があり、「鵝車」は『舊唐書』から用例があるようです。

    古代は「樓車」と呼んでいたものが、唐代以降は「鵝車」とも呼ばれるようになり、五代を経て「鵝車」に一本化されたのではなかろうか、というわりとどうでもいい仮説が立つかも知れませんね。

    下部は車で上部は雲梯のような梯子形状になり、上からの偵察や城楼への攻撃に使われていたのかもなあ、というように思いました。

    それが鵝鳥に似ているかと言われると、超微妙だなあ。。。


    【返信を受けて】

    城郭都市なら樓車の発達は必然ですよね。

    〉鵝車は箱からヒョロッと首(梯子?)が伸びた格好が、ただの箱形とおぼしき洞子とは違う

    その解釈が分かりやすそうですね。
    首があるから鵝鳥、というわけで。


    〉通史的に兵器の用例を調べてみるのはおもしろそうですね。

    史料の少なさがネックになりそうですが、この辺りは歴史研究の死角になっていますし、ニーズもありそうです。

    しかし、武器も無闇に多いですからね。
    やるなら相当に時間がかかりそうです。

    分からないことが多いです、ホントに。

    作者からの返信

    おおー、すごい!
    おもしろいです、ありがとうございます!

    樓車‐鵝車の関連についての仮説、なるほどです。
    鵝車は箱からヒョロッと首(梯子?)が伸びた格好が、ただの箱形とおぼしき洞子とは違う、という感じでしょうか。
    鵝鳥……。

    通史的に兵器の用例を調べてみるのはおもしろそうですね。
    時間があるときに挑戦してみたいです。
    本気でやったら、かなりゴツい研究プロジェクトに発展しそうですが。
    小説・漫画・アニメ・ゲーム・実写と、いろんな方面から需要がありそう。

    一人では調べ物の手が回らなかったり意識が行き届かなかったりするので、こうして補足していただけるのはありがたいです!