大いなる知識の神
一体、どうしたものか。
無い脳みそを必死にこねて考えてみる。
こういう時はまず、やりたいことを紙に書く。アプリのメモ帳よりも、リアルな紙がいい。実際に文章に書き出してみると、頭の中が整理される(気がする)。
『出力された文字列が「シェイクスピア」かどうかを確かめる』
次に、目的が達成出来ない原因を書いてみる。今回の場合、「1文字ずつ分断された状態で出力される」ことが原因となる。
出来ない原因が分かれば、その文章を逆にした状態がゴールとなる――つまり、1文字ずつ分断されていない状態で出力されれば良い。
考えてみれば、なんてことはない。J列からP列にある7つの文字を結合すれば万事解決だ。ただし、その方法を私は知らない。
ここまでインテリぶっといて、何が「知らない」だと思われるかもしれない。
しかし、安心してほしい。私、いや、私達には秘策がある。孫悟空ではないが、「知らない情報」を知る術を持っているのだ。
皆さんもやったことがあるだろう――世界に
まだ、体験していなければ、是非やってみてほしい。ブラウザを開いて、アドレスバーに以下の文字を入力して、エンターキーを押す。(アドレスバーとは、画面の上の方にある、細長い入力エリアのことである)
https://www.google.co.jp/
すると、G〇ogleとデカデカと書かれた場所にたどり着くはずなので、その下にちょこんと置かれた入力エリアに、自身の望みや想いを書く。年末調整の方法でも、モテる方法でも、金持ちになる方法でも、世界征服の方法でも、何でも授けてくれる――ただし、授けるのはあくまで「方法」だけだ。実行する為の手も足も、自分自身で手に入れる必要がある。そう上手く世界は出来ていない。
また、知識の神は、書く人によって内容が変わる文章よりも、単語の形式の方が好ましいようなので、今回の場合は「"E〇CEL" "文字列" "結合"」と3つの単語を入力する。
エンターを押した直後に、文字結合の方法がずらずらと出てきた――それはもう、悩んでいたのが馬鹿らしく思えてくる程に。
何件か回ってみた結果、どうも「&」で繋ぐ方法と、「結合」を意味する関数「concatenate」を利用する方法の二つがあるらしい。
私は後者を選択した――ただ単に、そっちの方がカッコいいと思っただけである。
Q1のセルに「=concatenate(J1,K1,L1,M1,N1,O1,P1)」と入力すると、『ユァヒヒゴナヮ』という一つの言葉が出来上がった。
例によって、まるで意味が分からないが、これで「シェイクスピア」による文字列検索が可能となった。大きな飛躍である……もう、ちまちまと画面とにらめっこする必要はなくなったのだから。
キリのついたところで、私はググルを使ってもう一度、知識の神に謁見した。
流石、神。読心術や未来予知もお手のもののようだ。
その証拠に「"concatenate" "読み方"」と入力すると、ずっと待っていたかのように、候補の一覧が出てきて――
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