明け方のティータイム

雪村 碧

1. ブランケット

 ブランケットを買った。鳥のイラストが散りばめられた起毛の生地で出来ているブランケットだ。


 この一枚のブランケットは予想以上に私を幸せな気持ちにさせてくれた。

 ブランケットにプリントされたイラストはとても可愛い。私の好きな鳥のイラストだ。それから、買う時には「そこそこ柔らかいかな」くらいに思っていた生地は、とても肌触りの良い柔らかい生地だった。触ると頬が緩む。頬に当てると、気持ち良くて思わず溜息が出る。本当に、ただ柔らかいだけなのに。頭に被ったりなんかしたら、もう最高の気分だ。口から勝手に「幸せ~!」なんて言葉が出てくる。日々の嫌な出来事も、このブランケットに包まれている時だけは忘れる。腹の中にあった黒い感情も消える。ただただ気持ち良い。柔らかい。最高だ。

 この一枚のブランケットは、それくらい私を幸せにしてくれたのだ。


 さて、ブランケットについて書いていたらブランケットに触れたくなってきた。あの柔らかいブランケットに包まれたい。きっとそのまま幸せな気持ちで眠ってしまうだろうから、この辺で終わりにするとしよう。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

明け方のティータイム 雪村 碧 @yukimuraao

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る