21.画策

「私のお墓参りに行きましょう!」


きっかけは、その言葉だった。目の前には、黒髪ロングのスレンダーな美少女、朱里先輩。右には、小柄なロリ体系、声のチー先輩。後ろで資料を整理している体育会系美人は、優香先輩だ。

そしてもちろん、第一声をあげたのは、幽霊系美少女のセナである。ちなみに、ガチモンの幽霊だ。

僕、楓の日常はとても素晴らしいものである。


「おい。無視するな」


僕の完璧な日常をぶち壊してきたのは、セナだ。ここで話を終わらせることが美徳だとなぜ気付かないのか? なぜ、この物語をエ○ァ並みに長い間更新しなかったと思っているのだろうか?

そう! グダリ始めたからだ。セナの死因、学校の謎、柵村とはなんなのか。謎はたくさん残っているのに、物語をまったく進めなかったのがいけないような気もするが...。


「ほら、先輩方も無視してるだろ。この話に需要ないんだよ」

「な...。楓、先輩達には、裸眼で私を見れないこと忘れたの?」


とても、絶望的で深刻そうに告げる。そんなのもちろん知っている。だから、この会話がひとり言のようになっていることも理解している。


「お墓参りいいんじゃない?」


口を開いたのは優香先輩だ。そうだ、時間が経ち好きで忘れてた。優香先輩は裸眼でいけるんだ!


「お墓参りってなによ?」


次に口を開いたのは明里先輩だ。こんな形で進んでいくから物語が情緒になってしまうのではないだろうか? もっと、サクッとすすめるべきだろう。


「僕の頭上にいる幽霊が、お墓参りを期待しているようです」

「なんだか、ラノベのタイトルみたいね。けれど、面白そうだわ」


案の定、朱里先輩はのってきた。このまま芋づる式に他のメンバーも...。


「なんのはなし? セナちゃんのお墓参りいくの?」


ほら、チー先輩ものってきた。


「でも、あの骨、柵村に放置してきちゃいましたよね?」


そう、まだ話がつまらなくなかったころ、序盤の序盤で放置してきているのだ。


「それより、20話で突如でてきた新設定のアレどうなるのよ」

「チーはね、あんな怖いのいらないと思うの」

「あたしも、夜の校舎探索なんていらないと思うわ」


どうやら、20話はなかったことになるらしい。


「そろそろ、セナを成仏させてやる時期ですよね」

「まだよ。伏線はるだけはってなに一つ回収してないじゃない」


そうだっあ。第二部としてまともな物語に戻そう...。楓たちの物語は続く...。

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第2新聞部活動Diary KACLA −カクラ− @kacla

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