応援コメント

エピローグ いつか償い終えるまで」への応援コメント

  • 夢見里 龍さま、コメントを失礼いたしますm(__)m

    第一章では、スプリング・エフェメラルを想わせるプエッラの可愛らしさに魅了されました。愛らしい語調。プエッラの指が奏でる音律。その描写の美しさは圧巻です。

    続く二章では、人形というペルソナを通じて「幸せ」の在り方を考えさせられます。悪意を知らぬ(持たぬ)ことが「純粋」なのでしょうか。疑いを知らぬ「純粋」が無慈悲な殺戮の道具として使われる場面は本当に血が凍るかのようでした。人形の性質が人間の存在価値に言及しているくだりが印象的でした。

    第45譚で明かされた包帯の理由。人形師の根幹にある人間を嫌う心が、そうさせていたのですね。人形の絶望は壊されなければ終わらない。神々が人間のように自殺できないのと同じで、人形は辛くとも自ら終わりを選べないですね。だから辛さに耐えた人形は壊される時に「ありがとう」と言う。悪意を拒絶する人形の器に、限りなく清らかに透きとおった魂を見たように思いました。

    さいご、再び「ave atque vale」が聴こえて、第一章の幸福だった日々を小夜啼鳥の囀りが思い出させるかのようでした。三百二十四個の幸や不幸を見届ける末……プエッラは三百二十五体目の人形でしたよね。人形師の「最愛」です。与えて、与えられる愛という希望が残されていますね。

    比喩表現、漢字のひらきかた、文章そのものの美しさ。すべてが最終章まで持続する素晴らしい御作品に感じられました。読ませていただき、ありがとうございましたm(__)m

    追伸:拙宅の「人形」をレビューという魔法の綾布で包んでいただきまして、たいへん光栄でございました。
    私は読後、レビュー文を考える時間が必要なタイプでして……文章が纏まりしだいということで、お赦しくださいませ。

    作者からの返信

    宵澤ひいなさま
    真心のこもった丁寧なご感想をたまわりまして、まことにありがとうございます。朝露に輝く言の花束を贈っていただいたようなきもちで、何度も読みかえしては胸をときめかせております。わたしの愛する人形たちの物語に素敵な花をたむけてくださり、ほんとうにありがとうございます。
    「神々が人間のように自殺できないのと同じで」ああ、こんなふうに読み解いてくださるなんて……身にあまる幸いに存じます。たえきれなくとも壊れることができない。そういうものたちの「清らかな悲しみ」と、それを愛するがゆえに壊すという「痛み」を書きたくて、夢中に筆を奔らせた小説でしたので、汲み取っていただけて幸甚です。

    あ、あと、とても申し訳ないのですが……最後の、「三百二十五体目の人形」にして「人形師の最愛」はレムノリアになります。ごめんなさい。人形師を創れない、人形を壊すことしかできない人形師の片割れの、最愛です。

    漢字のひらきかたにまで言及していただき、感謝の言葉もございません。言葉にはひとつひとつ、神経を張り巡らせております。それこそ呼吸を吹きこむように。まだまだ理想には程遠いですが……精進致します。


    「お人形の夢と目覚め」読み終えた後に砂糖菓子を頬張っているような幸せなきもちになる、素敵な小説でした。「記憶に響く愛の音」もあわせて拝読させていただきましたが、こちらもまた綺麗な文章とせつない物語が胸にせまりました。素敵な小説を読ませていただき、こちらこそ御礼申し上げます。

  • 胸に抱いた感想が、既に御二方が書かれている場合、いかに違いを持って書こうかと悩むこの頃。
    考えた結果導かれたのは――『好きです』の一言でした。

    決して綺麗ごとで終わらせない。正義を振り翳すこともしない。
    強い強い自制心。ともすれば壊れそうな心に寄り添う人形。

    人の言葉を解し、話し、傷みを覚え主に忠誠を誓う姿は、既に人なのではないのかと。

    どうしてこれが三次落ち?(←まだ言う)。
    こういうテイストの物語はどこのレーベルに投稿すればいいんでしょうね?
    私はこの一人と一体と出逢えたことに感謝します。
    こちらに載せて下さってありがとうございました。

    作者からの返信

    橘 月さん ほんとうに…ありがとうございます…! 私が書いたものを好きだと仰ってくださる御方がいらっしゃることが、どれほど嬉しく、また報われることか。私こそ、ありがとうございますの一言しかおかえしできず…、それでもその言葉しか思い浮かびません。
    素敵なレビューも賜り、心より感謝致します。

    綺麗事のない、けれど美しいせかいが好きです。傷ましく、壊れそうになりながらも進もうとする人形師と、それに寄り添う人形の物語を愛してくださる御方がいらっしゃったこと、一生忘れません…!

    電撃が一番分野の許容が広いとは思っているのですが、年々需要が変わっていることも事実で、これからはまた他のところにも応募できればと考えております。なかなか暖かい声援にこたえられないのが申し訳なく、歯がゆいですが、諦めずに頑張って参りますね。

    読みいただき、また彼らを愛していただき、真に御礼を申しあげます。

  • お疲れ様でした。重い内容でしたが興味深く拝読しました。
    残酷な場面でも色鮮やかに描かれていて美しいと感じました(^^)
    目が口ほどにものをいう(?)ような描写もとても好きです♪
    そして食べ物の描写が……素晴らしすぎて思い出しじゅるりしてしまいます(笑)

    私が人形だったら……やっぱり壊されることを望むのかなぁ…… キョウの立場だったら……つらいけれどそれで人形が幸せならやっぱり壊すのかなぁ……とか 考えると止まらないです(^^)

    まだまだふたりの旅は続く感じの終わりですね。続編も読めたらいいなと思います(^^)

    作者からの返信

    暖かく細やかなる御言葉をかけてくださいまして、真にありがとうございます。読むときもそうなのですが、情景描写とそれに連なるような心情描写が好きですので、そのように仰っていただけたことに重ねて感謝申しあげます。

    といいますか、読んでいただいただけでも大感激でございます。ほんとうに物書き冥利につきます。応援をつけていただく度に拝みたいくらいのきもちでした(*^人^*)

    存在意義とは。という題材を掲げて人形と人形師を主軸に書きましたが、存在意義がなくなったとき、という部分に焦点を絞りましたので、人形の最期はあのようなかたちとなりました。片割の人形師はいつか、贖罪という過去にたいするかたちではなく、現在、しいては未来にむかっていけるだけのみずからの存在意義を見つけるのかなと、作者としては考えております。

    暗くても重い話におつきあいいただき、最後にもう一度御礼を申しあげます。また機会があれば、他の小説も投稿したいと考えておりますので、宜しくお願い致します。