第2話 無限コンテニュー

「また落ちてるぅぅぅ!」

真っ暗で何処か不思議な空間の中、急降下している少女がいました。

「でも、死んだハズじゃ?」

そう、彼女は今さっきここから落ちて死亡したばかりなのです。

「とにかく何とかしなきゃ〜〜!」

少女はいまいち整理のつかない頭で必死に考えます。

「さっきは確か、傘を使ってだめだったハズ…。」

そう思って何か他の物は無いかと辺りを見まわします。

そこに不自然に浮いている風船を見つけました。

「怪しい…」

ですが近くに別の物も無かったため仕方なく風船の紐に掴まります。

「落ちる、よね?」

彼女の発言とは裏腹に、風船はどんどん膨らみ落下速度を軽減させます。

「おお!当たりっぽい。さすが私」

そんな事を言っていると、あっという間に地面が見えて来ました。

少女は地面に着地し、目の前にある扉を開けます。

「うわっ!」

ずっと暗い所に居たので目が慣れていません。

やっとのこと目を開くとそこには見知らぬ男が立っていました。

「だ、誰?」

少女が問います。

男は何も言いません。

「お前まさか、さっきのウサギだな!」

答えを聞く前に少女が言います。

すると男は彼女に近づいて来ました。少女は無意識のうちに身構えます。

「やあ、久しぶりだねアリス。」

男の意味不明な発言により少女は完全にフリーズしてしまいました。

それもそのハズ。見知らぬ人に「久しぶり」と言われたのです。誰だって自分の記憶を疑います。

「どうしたんだい?何か僕が変なこと言ったかな?」

何だそのメルヘンチックな喋り方!

少女が頭の中でツッコミを入れます。すると追い打ちをかけるように男が

「君の気に触ったなら謝るよ。すまなかった。」

と言った。

「は?な、何これ?まず、お前だれ?ここ何処?」

少女が「いまいち状況が理解できていないです〜。」と言わんばかりの様子で言った。

「もしかして、憶えていないのかい?僕達のこと。」

「憶えていないというか……」

そもそも来たことが無い……、と認識している。

「そうか、それはとても残念だ……。」

男が悲しそうにそう言った。

「残念、なのか〜?」

「ああ、とてもね。でも憶えていないなら仕方ない。」

面倒くさいヤツだな〜と、少女は思った。顔は良いのになw

「僕はチェシャ猫。君を守る役目でここに来た。」

「チェシャ猫?変な名前だな。」

少女がそう言うとチェシャ猫はクスッと笑って

「この名前はアリス、君がつけてくれたんだよ。」

と、言った。

「は?私はつけて無いぞ?それと私はアリスじゃ無いんだけど……。」

「アリスはアリスじゃ無いのかい?」

何だか意味が分からなくなってきたため

「私はアリスじゃ無くてアリサだ。」

とりあえずそう言った。

「アリスはアリスじゃ無くてアリサだったんだね。」

もっとややこしくなった〜〜ww

もういらない事は言わないと心に誓った。

「と、とにかく状況を説明して欲しいんですけど……。」

アリサがそう言うとチェシャ猫は「うん!」と言ってアリサの前に座り、嬉しそうに語り始めた。

「お前……。」

明確に言いたい事があったのだが、すぐに忘れてしまった。

なぜかチェシャ猫を見ていると懐かしいと思ったのだがそれがなぜなのか、この時のアリサには分からなかった。

                    第二話 FIN

 

ーアリサ 残機 −1ー




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ゲームの国のアリサさん! 月の女神 @Hecate

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