林檎、制服、クッキー。
私の名前は、
私には、お兄ちゃんがいる。
名前を、
そして、今日はそんなお兄ちゃんの誕生日である。
それ故に、私は、制服を着たまま林檎クッキーを焼いているところである。
ん?なんで、制服で作ってるか?それは、前にニュースで休日も制服で過ごす学生が多いってのを聞いたから。
最後の一年だからとか。まあ、そんな理由はともかく、お嬢様である私は、世間の流行も知っておかなくてはね!
あ!お兄ちゃんが起きてきた。
──ガラリ。
「おはようお兄ちゃん!」
「おはよう。娜奈」
「うん」
「で、この林檎みたいな、甘い香り漂う物っているものはなんなの?」
「えーとね、林檎クッキーだよ」
「おう、そうか。だから、制服なんだ」
「違うよ。今日は、お兄ちゃんの誕生日でしょ」
「ああ、そういえば………ってことは、僕の誕生日プレゼント⁉」
「そう!だって、今まで、お兄ちゃんに誕生日プレゼントあげたことなかったから………」
私は、顔が熱くなります。たぶん、今私の顔は真っ赤だと思います。
「お、おうそうか……と、ともかくありがとうな」
「うん」
なんか、嬉しいな。やっぱり、お兄ちゃんが喜んでくれたからかな。
「じゃあ、出来上がったら、一緒に食べような」
「うん!」
今の私はとても幸せです!
「で、ものは相談なのだけど………今度のテスト難しいかもしれない……」
そう、私のお兄ちゃんは私の先生でもあるのだ。
「え、なんで?」
「いやー、はりきり過ぎちゃてさ。あの問題もあ!やっぱりこの問題もってやってたら……ね」
「そうなんだ」
その時、オーブンがクッキーを焼き終わった。
「あ、お兄ちゃん林檎クッキーできたよ!」
「おう、じゃあ、早速食べようか」
その時である、家のチャイムがなったのは、
「もう、なんなの!今から」
私のお兄ちゃんとの時間だったのに!
私は、少し怒った様子で、家の扉をあけた。
扉の前にいたのはなんと──
「こんにちわ。今日は、綺堂先生の誕生日でいらっしゃいますよね。なので、林檎クッキーを焼いてきました」
え?い、今なんて言った?林檎クッキーとか言った?
それよりもなんで、この子がお兄ちゃんの誕生日知ってるの⁉
「ん?どうした。って──か」
「はい。こんにち。綺堂先生。私からの誕生日プレゼントの林檎クッキーです」
「おう、そうか。ありがとうな。あ!そういえば、娜奈も林檎クッキー作ってたよな」
「う……ん」
「じゃあ、一緒に食べていくか?」
「はい。是非喜んで」
お、お兄ちゃんの馬鹿ぁぁぁぁぁぁぁぁl
僕が妹の先生になった。 夏蓮 @ennka
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