第2話
翌日、またあの男に会える気がして、なんて理由は決して、そう、決してないが俺は図書室へ来た。
図書室のドアを開けると、冷気が俺を包んだ。
もう大して暑くないのに、この学校はいつまで冷房をつけているのだろう。室内に入るのを躊躇う。
「さみぃ…」
右脚を一歩踏み出すと声が聞こえた。
「どいて」
覚えず声を漏らした俺の背後から、昨日と同じ迫力を感じた。脅されているような優しく抱かれているような、そんな気がした。
振り向くと、やはり昨日のアイツだった。
「あぁ、悪い…」
何となく気まずくなってしまい、俺はうつむいた。すると、その男のスリッパが目に入った。青色のスリッパ。まさか、こいつ…
「と、年下…!?」
もう少し素直になって。 城崎 夏恋 @MacoMaco
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