あとがき

あとがき

 選挙戦の話を書きたいと思った時、高校できちんとこの種の選挙が行われたらどうなるかなという想定でプロットを書きました。概ねプロット通り進捗したのですが、何回か主人公たちが勝手に動いてこのような形にまとまりました。


 ミフユは本作を書いている間に私の中では何回か「誰か会長をやってくれて成果が取れるなら譲るんだけど」という考えを見せてはその事を否定している。そういう中から取り憑き戦術が生まれ、そして小夜子も考えを変えていく事になる。


 小夜子は生真面目です。そして融通が利かない。でもそれじゃあ目的を達成できないし支持も得られない。そして制服も追加させないという姿勢である必要がないと気付いて取り憑き返す戦術に発想を変えた。

彼女は校外活動の取り組みこそ達成すべき目標だと思っています。それは選挙で負けてもそれは諦めず交渉すれば良い。だから必ずしも選挙に勝つ事は目的ではなくなる。でもそれでは一緒に戦ってくれた桜子ちゃん達に申し訳が立たないし、何よりミフユに手加減された事を気付いているのでただ負けるなんて気にはなれないから最後まで戦い抜いている。


 政治の本質とは利害調整と合意形成なのでそれが出来ればいい。ただ、ミフユは生徒自治会長というポストを取れないと学校側との交渉の土俵に乗れないし、それでは協力してくれているみんなに顔向け出来ないとみて戦い続ける道を選んでいる。


 大村先輩の台詞。「諦めない奴は折れない。そして正しい負け方を知っているってね」二人ともこれをよく知っているのだなと思います。そういう事が伝わる内容になっていれば良いのですが。

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