5月13日 家族:ミアキ「え、報告?、まさか彼氏が出来たの?」
古城ミフユ
「最近ご無沙汰だったよね。私がヒロインだってのに扱いがぞんざいじゃない?もう」なんて言葉が何故か頭を過ぎった。誰にこんな事を私が思ったかと言えば、読んでいる小説にそんなメタフィクションが入っていたからだ。ちょっと妄想が過ぎてるかな。
生徒自治会長選への立候補を決めてから私は生徒自治会規則とか過去の中央高新聞を読み込んで制服問題やらどういった課題があるのかってずっと考えていた。今のところ私の立候補の意思は学校だと陽子ちゃんと肇くんしか知らない事だ。
お父さんと妹にもこの話はしなければならなかった。5月連休明けの週末の夕食の場で報告した。
「みんなに1つ相談というかお願いというか報告があります」
「え、報告?、まさか彼氏が出来たの?」
ミアキはまだ小学2年生のくせにませガキ過ぎるっての。
「ミアキ、それは断じて違うから」
お父さんまでホッとしているのは年頃の娘を持つ父親としてどうかと思う。これで私が彼氏を連れてきたらどうなるのか知らん。
私は息を吸い込んで一気に言った。
「今度の学校の生徒自治会長選に出ようと思っています」
お父さんは「ふむ」と言った。
「出馬する際、何を変えたいんだい?ただ会長になりたい訳じゃないんだろ?」
「うん。理由は制服の見直しかな。女子制服がスカートだけって釈然としないから変えたい。もし当選したら1年半ぐらいは学校の事が忙しくなるので家事とか分担見直しをお願いします」
お父さんは微笑みながら言った。
「なんだ。そういう話か。ミアキも聞いて欲しいけど、家のことはお父さんもお母さんも出来るけど二人に手伝ってもらえることがあればやった方がいいという考えだから当然ながら優先順位は学校の事の方が上だよ。学校でそういう挑戦するなら応援するし当然家事のシェアリングは見直せばいいだけだよ。うちはそういう方針でやろうって春海さんと決めたことだから心配しなくて良いよ」
「ミアキも応援するよ。もっと家事は手伝えると思うし。彼氏が出来たとかじゃないのはそっちの方が心配」
ミアキ、その心配はいらないから!
お母さんはお父さんの手に手を重ねてポンポンとかしてるし、それは娘の成長を喜ぶ両親って事なのかな。ほんと私は家族に恵まれてるなあと思ったけど当事者の長女としては少々恥ずかしいものがあるのも確か。
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