第2話

大家が聞いてきた。


その声には明らかな動揺の色が見える。当然だ。


私は若い女だし、大家は中年の女性だ。


しかし聞こえてきたのは、低い男性の声なのだ。


「……よこせ」


また聞こえた。


すると大家の身体が、まるで誰かに投げ出されたこのようにどすんと床に落ちた。


「大丈夫ですか?」


駆け寄った私が見たもの。


それは首のない大家の身体だった。


床がどんどん赤く染まってゆく。


あまりにことに腰を抜かしてへたり込むと、私の前に何かが落ちて来た。


それは大家の首だった。


大家の首はぎろりと私を見ると、言った。


「おまえも首よこせ」



       終

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天井裏 ツヨシ @kunkunkonkon

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