天井裏

ツヨシ

第1話

新しいアパートに越した。


家賃を含めて申し分のないアパートだったのだが、一つ問題があった。


時折、天井裏で何かが動いているような音がするのだ。


部屋は三階建てのアパートの三階なので、上の住人と言う可能性はない。


ねずみかとも思ったが、ねずみよりも大きなものが動いているようにしか聞こえなかった。


しばらく我慢していたが、ある日どうにも我慢ならなくなった私は、大家にその旨を訴えた。


「とりあえず、見てみましょうか」


大家は押入れを開けて上の段の荷物を下ろすと、そこに身体を入れ、天板を外した。


そして懐中電灯を差し入れてから、首を突っこんだ。その時。


「……よこせ」


声がした。


「なっ、なにか言いましたか?」

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