第2話 学校~脱出~
「そういえば、貴方一人でクラスに取り残されたの?」
三郷とタクミは職員室へと向かっていた。
「ええまぁ、気づいたらこの有様でまだよく覚えていないんですよ。」
「そう、私も逃げ遅れて気づいたら誰もいなくなっていたのよ。」
「そうだったんですね。とにかくここを出て安全なところに行きましょう!」
「そうね・・・。」
三郷の不安そうな横顔を見つめつつ歩いていると職員室の前についた。
「しー、静かに。奴らがいるわ。」
職員室の中には先生であったバケモノ達がいたが幸い、先ほどまで授業を行っていたのでそれほど多くはなかった。
「さっきあなたと会う前にここを通りかかったらほらあそこ車のカギがかかってるでしょ?」
2体のバケモノを挟んで向かい側の机の上に車のカギらしきものが置いてあった。
「え、あのバケモノを倒して取りに行くんですか?」
「ええそうよ、私がカギを取りに行くからあなたがバケモノの共を抑えて」
「ち、ちょっと待ってください。仮にカギが取れたとして運転できるんですか?」
「ええ!ゲーセンでやったことあるわ!!」
「ゲ、ゲーセンですか。」
タクミは三郷の持っていた金属バットを渡された。
「あなたが先に行ってバケモノの抑えて私がカギをとるわ。」
「は、はぃ」
「行くわよ!」
職員室の引き戸を開け放ち勢いよくタクミはバケモノたちに向かっていった。
「オラアアアァァァァァ!!」
バケモノたちはタクミに注意が向きタクミの方へとゆっくりと歩み始めた。
「おら!こっちだ来いよ!!」
その間に三郷は机の上に置いてあったカギをとった。
「タクミ君!いいわよ!!」
「はい!」
タクミは猛ダッシュで机の上を飛び先ほど入ってきたドアへと戻った。
「ハァハァ、怖ぇなんなんだよあいつら。」
「ありがとうタクミ君。とにかく先を急ぎましょう」
「そうですね」
カギをとり職員玄関口へ向かった二人は少しドアを開け外の様子を見るとそこには無数のバケモノたちがいた。
「うわぁ、バケモノがうようよいますよ。」
「そうね、門のほうにはまだあいつらはいないから今なら車で突き抜けられそうね。」
「そのことなんですけど、その鍵どの車に合うのかわかるんですか?」
「安心しなさい、私はそんなに馬鹿じゃないわよ。」
「(ゲーセンで車の運転学んだ人のセリフじゃない・・・)」
「この鍵は体育教師の今井先生の机にあったわ、ということは今井先生の車のカギで間違いない。」
「今井?あぁ、あの熱血野郎か。」
「今井先生の車は確か、ヘッドライトが丸くて大きい車よ。」
「あ!あそこにある車そうじゃないですか?」
タクミが指さすところにSUVが駐車されていた。
「あれね。あそこまで走ってすぐに乗り込むわよ」
「でも、直線で突っ走るとなるとバケモノがじゃまですよ。」
「そうねぇ・・・、ん?消火器を使って注意を向けましょう」
「え、でもどうやって?」
「消火器を作動させたらなるべく遠くに投げてそっちに気を向かせるの!」
「うーん、うまくいきますかねぇ。」
「ほら!さっさとしなさい!」
タクミは簡易消火器のピンを抜きレバーを握ったと同時にそれを明後日の方向へ投げた。
「いいわよ!あいつら向こうに気を取られてる今のうちに行きましょ!!」
三郷とタクミは車へと走り乗り込んだ。
「だ、大丈夫なんですかホントに。」
「任せなさい!こう見えても得意なんだから!」
カギを差し込みエンジンをかけたことによりバケモノたちがこちらに気づいてしまった。
「あぁ、ヤバイ気づいちゃったみたいですよ!」
「うるさい!少しは黙ってなさい!!」
車は勢いよく発進し、次々とバケモノを押しのけ門を出ることに成功した。
to be continued
今日世界が滅ぶ @remiru
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