第2話 寄り道の誘い
今日も朝から最悪な読書タイムを過ごし、
やっと下校時間だ。
僕は無部。つまり帰宅部の為、授業が終わり次第下校しても良い。
僕の行っている高校、
僕は、
基本、寄り道はしない。いや、正しくはする人がいないし、興味もない。
だが、どうしても寄り道しなくてはならない理由ができてしまった。
そう、それはあいつだ。
鈴森小春が僕を寄り道に誘ってきたのだ。
それもただ誘ってきたのではない。もはや脅しレベルの誘い方をしてきたのだ。
「千里くんー。今日空いてるよね?」
この時点で、僕は無視しておくべきだっただろう。何故に僕は予定がないと決め付けられなくてはならなかったのか。
「え?僕今日はパスかな〜あはは。いや、というか何で僕に予定がない前提なの?」
「図星か。いいよ、いいよ。特別に私が遊びに付き合ってあげるから〜!私日直の仕事あるからさ、校門で待っててよ。」
「図星じゃないし、何故に上からなの?遊びにはいかないから。僕も色々と忙しいんだよね。」
そう、僕も忙しいんだ。
彼女が思っているほど僕は暇じゃない。
家に帰って勉強をして、母に無理やり家事の手伝いを頼まれて、本も読まなくちゃいけないし、趣味で描いてる絵も描くって考えたら彼女に付き合っている暇などない。
そんな事を考えている間に例の遊びの話は勝手に進んでいてもう止めるのには手遅れの様だ。
「じゃあ、校門待ち合わせ。千里君って嬉野方面でしょう?なら嬉野駅周辺で遊ぼー。決定ね!楽しみ〜あははははは!!」
「ちょっと待って。僕行くなんてまだ行ってないんだけど。というか何で僕の家が嬉野方面だって知ってるの?」
「いや、この前舞有で電車から降りる千里君を見かけたんだよねー!」
舞有から?何で彼女が特にこれと言ったお店もない舞有に居たんだろうか。嫌な予感はすぐに的中した。
「実は私も舞有に住んでるんだ。まさか最寄り駅一緒だとは思わなかったよ〜あはは!あ、あと。今日来ないなんて事千里君はしないって期待してるよー。」
最悪だ。これで理由もなしに買い物に付き合わされて帰りの電車まで同じだ。
それに何故か僕が遊びに付き合う事になってしまっている。やはり無視しておくべきだった。
そんな事を考えているうちに彼女は日直の仕事で僕の前から居なくなっていた。
–to be continued–
僕と君の隠し事。 雨音りこ @sakuraneko_neko
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