俺、ケツ意をする

女王様の爆弾発言に尾那穂高校の人達が騒ぎだす。

そりゃそうだ。

絶頂した数で強さが決まるなんて誰でも驚くだろう。


「ぜ、絶頂? どういうこと?」「絶頂ってことはそういうことだよな?」「やーんエッチィ……」「男が言っても気持ち悪いんですけど」


「皆さんどうか落ち着いてください!」


騒動の発端である女王様が大きな声で皆の注目を再び集める。


「いろいろ疑問や疑念があることは重々承知しております、しかし魔族軍はもう目前まで迫っています。その戦いに参加したくないと言う方にはもちろん私は強制致しません。ですがどうか、私の為ではなくこの国の未来の為にそのお力を貸していただけませんでしょうか」


女王様が再び頭を下げた。


さっきから頭を下げまくってるけどこの女王様凄い腰が低いよな。

普通のお偉いさんなら「お前らワシを助けろ、拒否は許さん」くらい言いそうなもんだけど。

そういう部分では少し好感が持てるかな。


そしてそれは周りの皆も同じだったようだ。


「仮に僕達に力があるとして、そしてその力で誰かを救えるのなら……僕はその誰かを救いたいと思う。皆はどうだ?」


「俺もそう思うぜ!」


「私も!」


俺も私もと尾那穂高校の方々は一致団結していく。


……なんか俺めちゃくちゃ場違いじゃん。

別にハブられてないけど、似たようなものを感じる。


俺が一人その光景を見ていると、突如俺の肩に誰かの手が乗り全身に電流が流れた。


「イッk!?」


叫びそうになった口を手で無理矢理押さえ声を飲み込む。


あっぶねー! ギリギリセーフだった……こんな衆人環視の前で思いきり絶頂してしまうかと思ったわ……。


頭が軽くトランス状態になりながら振り向くとさっきの女の子(確か名前はスズネさんだったかな?) がいて俺の肩から手を引っ込めた。


「だ、大丈夫? ごめんね、いきなり手をかけちゃって。声をかけたのに反応が無かったからつい……驚かせちゃったよね?」


別に驚きはしなかったけど絶頂はしそうになったよね。


「い~やぁ~、大~丈夫だよぅ~。何かぁあったのぉ?」


絶頂しかけた余韻で上手く言葉が出せない。


「うん、あなたはどうするのかなと思って。あなた私達の学校の人じゃないでしょ? 一人だけ制服じゃないし」


言われてみれば俺は転生する前の寝巻き姿だった。

皆が皆制服の中に一人だけそれじゃ、そりゃあ目立ちますわね。

俺は少し落ち着いてから答えた。


「そうだね、俺も参加しようかな。人手足りないっぽいし」


彼女はそれを聞いた後、突然何かを思い出したようにポンと手を打つ。


「あっ、自己紹介がまだだった! 私、川北鈴音かわきたすずねっていうの。 お互い無事元の世界に帰れると良いね!」


やだ、なにこの子可愛い。

確かこの子レベル5だったよね?

どっちかな!? どっちで5になったのかな!?

一人の方だと嬉しいな!

……よし決めた!

俺は必ずこの子を守ってみせるぞ!

たとえ自分の尻を触り何度絶頂しようとも、な。


俺は己の股間よりも固い決意、いやケツ意をした。

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超絶頂体質の俺が"絶頂した数=強さ"になる世界に転生した場合~体が何かに触れるだけで世界最強~ 丸太郎侍 @marutarouzamurai

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