第5話 中身

部活を無事に終えて、電車に揺られている。田舎のせいか、がらがらで誰もいない。

「今開けてもいいか…」

バッグからファイルを出し、そこからさらに封筒を取り出した。


「回ってきたのは初めてじゃないけど、前の事はよく覚えてないし…」

ぶつぶつ独り言を言いながら、封を開ける。


「…え?」

書いてある内容は、予想通りの簡単な事だった。


《明日、朝一番に教室に入れ》


「そのくらい…よゆ…う…」

考えたらくらっとした。

たしかに簡単ではあるが、私はあいにく朝が苦手なのだ。低血圧で朝は普段よりも目つきが悪くなる。


「じゃない…何時に起きればいいんだ…」


朝一番と言うことは、私の前に誰かが教室に入ったらいけないということだ。


「嘘…」

めったに落ち込まない私だが、久しぶりに衝撃を受けた。


さらに追い討ちをかける最後に添えてある文章を目にする。


《次の生徒:桜澤 椎菜》


「っ…!」

思わず声にならない息が漏れた。


桜澤…椎菜…?!





彼女は、私の唯一の幼馴染。

同時に…1番苦手な女子だ。

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たとえ私の居場所が世界の端でも 四ノ宮 唯架 @piyu

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