第13話
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大変だ。
大変だ!!
大変なんだよ!!
あの変態生首が逃亡した!?
なんで?
どうして!?
ゼニガタの兄貴が大丈夫って言ってたのに、何が起きたのねえ。
誰か教えてよ。
って⋯⋯
アンジェリカも負けずに、なんだかとても物騒な目つきで琥珀さまを睨んでた。
あぁぁぁぁ、
この二人は、本当に仲が悪い。
「なにをしに来たかや」
琥珀さまが、吐き捨てるように訊いた。
もっと穏やかに訊きましょうよ琥珀さま。
「あなたには関係のない話よ」
プンと顔を背けた。
アンジェリカ。
ねえ、もっと、友好的に行けないかな。
「夫の暁人どのに用があるなら、妻のわらわに先に話を通してもらおうかの」
「夫!?」
師村が琥珀さまとボクの顔を交互に見て驚いてる。
あぁ~、また新たな誤解が。
「嘘ばっかり言わないでよね。ローレンス・
ボクって、そんなに有名人なの!?
アンジェリカがボクの膝の上に乗りながら、勝ち誇ったように琥珀さまを見た。
いや、ほら、ねえ。
この状況で、そんな真似をすると⋯⋯
「アンジェずるい」
ほら
「アタイも、そんなことされた事無いし!!」
「そんな真似、オレがさせない!!」
お前、何を言って。
あ~っ、ねえピンクちゃん。
そんな羨ましそ~な、恨めしそ~な眼を、こっちに向けないでちょうだい。
「人魚だ。人魚だよ、おい
中元は、中元で、なんか感動してるし。
「暁人。お前と琥珀さんの仲って、どーなってんの?」
いま、それ重要か
「成敗してくれるウロコ女」
「あら、まだ分かってないのね。あなたじゃ私に勝てないわよ。ね~、ローレンス・暁人」
こてんとボクの肩に頭を乗せて甘えて来た。
も~~~
この状況を見て、アンジェリカ!!
「っていうか。お前と彼女たちの関係ってなに?」
詰め寄るな師村。
説明が難しいんだ。
「ぼくは、暁人さまの四号さんです」
稟が元気よく手を挙げた。
「四号?」
「私は五号」
ピンクちゃんまで⋯⋯
「へっ?」
「このマッチョな稟ちゃんが四号で、こっちのロボットが五号なのかローレンス」
「ロボット!?」
ピンクちゃんの頭の後ろに
ガァァァァァァン
という書き文字が見えた。
ああ、ショックを受けてる。
「マシキュラン」
「はあ?」
「なに言ってんのローレンス」
「彼女たちの種族は、マシキュランっていうの。ロボット呼ばわりするのは失礼にあたるんだよ」
「いや、でも、これロボットだろ」
しつこいな中元。
「マシキュラン!!」
ボクは語気を強めて訂正した。
「マシキュラン?」
「そうマシキュラン」
「で、マシキュランってなに?」
あぁ~、もう面倒くさいな~
「マシキュランってのはな――」
何故か嘉藤が説明しだした。
って、お前、ボクより詳しいんだけど。
どこで、その知識を仕入れたの。
「へぇ~、マルチバースネットワークってのがあって。それが何、全異世界と、この世界をつなげてるのかよ」
中元。
お前も、馴染むの速くない。
ボクは理解するのも、納得するのも、ずいぶん時間が掛かったってのに。
「嘉藤。お前、どこで、その情報を仕入れたの?」
「こないだコンシェルジュさんにインタビューしたら、丁寧に色々教えてくれたぞ」
コンシェルジュさん⋯⋯
なんでもかんでも、ベラベラ一般人に喋ってしまうのは、どーかな~と思うよ。
ボクは。
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