第2話
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「ふぁぁぁぁぁぁ」
ボクは欠伸をしなが背伸びをした。
平和だな~
しみじみとそう思う。
改装の済んだペントハウスを眺め見た。
前とは間取りも変わり、家具も全部新調された。
倉庫に眠っていた家具も運び出して、新たに模様替えを施した我が家は、以前にも増して輝いて見える。
いや、まあ、我が家と呼んで良いのか疑問だけどね。
前と変わった所もある。
赤鬼さんに特別な許可を貰った
隙あらば子作りチャンスを狙ってる、
そこに歯止めを利かせてるのが、ピンクちゃんの存在だった。
彼女は二つ星補佐官の代理人として、このゲートの管理を受け持つ事になったんだとか。
彼女も、ほば毎日顔を出してる。
マナさんからも妹をよろしくお願いしますって、頼まれてしまってる。
ちょっと波乱含みの再スタートだけど、まあ順風満帆って感じじゃないかな。
「
ピンクちゃんだ。
「これで、どうでしょう?」
と、隣にいる稟の背中をそっと押した。
「うん、良いんじゃないかな」
ボクは稟の姿を眺めながら言った。
稟の特徴的な銀髪はそのままに、きれいに角が隠れてる。
真っ赤な肌も、ちょっと日に焼けた健康的な小麦色に変化してる。
マシキュランの開発した、イメージ投影装置のお陰で、稟はこの世界の女の子そのままの姿になっていた。
ちょっと背は高いけど。
ついでに、スーパーマッチョだけど。
「うん、これなら外に出ても目立たないね」
別の意味で目立つけど。
身長が百八十センチオーバーのスーパーマッチョな美少女が、銀髪なびかせて街中を歩いてたら、嫌でも眼に止まると想う。
「本当?」
「本当、本当」
「じゃあデートしようよ、暁人さま」
「デート? 何がしたい」
「何でも良いよ。虎狩りでも、熊狩りでも、ライオン狩りでも」
全部絶滅危惧種です。
やっぱり鬼だな~
可愛く見えても、鬼は鬼。
物の考え方がちょっと過激だ。
「いや~、流石に野生の虎は今の日本にはいないよ」
「じゃあ、じゃあ海に行ってクジラを狩ろうよ」
鯨!!
あ~、捕鯨が禁止されて何年だっけ?
ボクの祖父さんが子供の頃には、もう食卓に上ることはなかったっていうから、百年ぐらいは経つのかな!?
「いやそれも無理」
「えぇぇぇぇ、じゃあ何を狩れば良いの?」
まず、狩ることがら離れよようよ。
「狩り以外でやりたい事は、なんかある?」
「う~ん、喧嘩!!」
ちょっぴり悩んで、答えはそれですか。
困ったな。
どうにも稟は、ゴリッゴリの武闘派のようだ。
「喧嘩はなぁ。稟の相手を出来る人は、この世界にはいないと想う」
「え~~~っ」
ぶーたれても無理なものは、無理。
人死にが出ちゃうし。
「じゃじゃバース1854636に行こうよ。あそこなら大丈夫だから」
「バース1854636?」
「
「グリフォン狩ろう、グリフォン。ぼく。グリフォンの焼き肉食べたい」
琥珀さまの世界か~
行けるもんなら行ってみたい。
でもな~、ボクはまだ、
「
「え~~~っ」
がっかりした稟が、つまんないを連呼してるかたわらで、ピンクちゃんがペコリと頭をさげて持ち場へと帰って行った。
困ったな。
そうだ低温貯蔵庫に吊してるグリフォンの肉が、いい感じに熟成してたな。
先輩たちも来るし。
今晩は、あれで焼き肉にするか。
普通の人がグリフォンの肉食べて大丈夫か分からないけど。
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