第5話 「どうした?」
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ボクがドアを開けると、素っ裸の河童小娘がボクに抱きついた。
え!?
なんで裸なの?
「恐い」
恐い?
何が!?
「獣、獣が布団の中にいる~」
獣!?
ドクン、ドクン、ドクン、ドクン・・・
と、河童小娘の心臓の鼓動がボクの胸に伝わって来る。
心底脅えてるのが、それで分かった。
ボクは慎重に布団を跳ね除けた。
そこには河童小娘のパンツにじゃれつく、ミーたんの姿があった。
「や、恐い、助けてアキト」
「なんも恐くないって」
ミーたんの襟首を掴んでつまみ上げた。
つまみ上げられたミーたんは、執拗な程パンツにネコキックをに打ち込んでる。
「あ~、ダメダメ」
パンツを引き剥がそうとするけど、ミーたんが爪を立てて離さない。
「もー、ミーたんめっ!!」
「ニャァァァァァァァ」
って、お前の悲鳴の方がネコっぽい。
「や、恐い、どっかやって」
ボクの胸に顔を埋めるようにして、ミーたんを見ないようにしてる。
何か可愛いぞ、河童小娘。
「大丈夫だよ。ミーたんは引っ掻いたりしないから」
「ミーたん? ミーたんってなに?」
「あ~っと、え~っと、アメリアの事だよ」
「アメリア!! フリッツ六世を喰い殺そうとした魔獸アメリアがいるの!?」
フリッツ六世さん・・・
どんな尾鰭つけて吹聴してまわってんの?
「ミーたん。ほらパンツ離して」
「もう良い、上げる、上げるからどっか行って」
河童小娘がそう言うので、パンツごとミーたんをケージに入れた。
それまでパンツに掛かり切りになってたミーたんが、突然パンツを離して
「ミャー」
「吼えた!!」
違う、鳴いたの。
カタカタカタカタ・・・
河童小娘が震えてる。
「もう大丈夫だって」
そう優しく言ってやったんだけも、河童小娘はボクにすがりついたまま離れやしない。
ぺったんこな胸を、ボクの腕に押しつけてる。
ぺったんこなのに、やっぱり軟らかくて気持ちが良い。
いやいや、河童で、生意気な小娘でも、れっきとした女の子だ。
弱みにつけ込むの男らしくないぞ桐生・ローレンス・暁人。
「ほら離れて」
「やだ、恐いぃぃぃぃ」
太股まで絡めて来た。
おほっ!!
琥珀様とは、また一味違った気持ちよさが・・・
って、なんで琥珀様と比べてるの?
琥珀様の太腿の感触なんて知らないだろう。
河童小娘がグイグイと身体を押しつけてくる。
全体的にしっとりしてて、少し筋肉質で、ちょっぴり体温が高い。
なにこれ役得?
これが河童小娘の役得!?
ウワォ!!
嘉藤に見られたら、確実に殺される。
我が友よ、頼むから今は来てくれるな。
「もう大丈夫だから、ほらアメリアは檻に入れたし」
「ミャー」
「ニャァァァァァァァ」
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