十幕 【天界一武闘会決勝「強敵」】
◆◆◆
「・・・」
俺達、オーディンチームとロキを
大会最後の
大会前に
ただ、これから戦う相手に勝つ
わかっていた。
こうなる事はわかっていたのだ。
これは俺達の実力じゃない。
一戦目を
一戦目のアポロン達だってありすの
しかも完全な
あのまま試合を続ければ負けていたのは俺達の方だったかもしれない。
ヘルメスの
だが、これ以上自分たちの
いや、そもそも協力してもらう事は
それ以前にやる事がたくさんあるのでは―
「うだうだ考えてんじゃねぇよゴミが」
「・・・ロキ」
「考えがだだ
ロキの言うとおり、俺にはそこまでの考えはなかった。
ただ目の前の事、今はありすの事に
この大会に参加する意味なんてちゃんと考えてなかったんだろう。
そもそもここにいる
「すまん。
「だから
「そんな相手にどう戦えって言うんだ」
「だから勝てねぇんだよ。今の貴様らにはな。だからってこの試合を
「・・・それは」
「目の前に勝てねぇ相手、自分らは死なねぇ。じゃあ何をするんだ貴様は」
「
「ありす・・・」
今さっきまでうなだれていた
だが
ありすは今この状況をどう
まだまだ俺は人としても神としても
「すまん。
「えぇ。全力を
「あぁ」
俺の決心が
俺とありすはお互いを見つめ、うなずき合い、
◆◆◆
「・・・ちっ。
「やっぱりロキって
「ヘルか。どっから入ってきやがった」
「ずっと
「・・・いつから。まあいい。何度も言うがあいつらに
「ロキってほんとツンデレ」
「どう思おうが
「どういうこと?」
「あのオーディンを中心に事が
「・・・それって悠真君にまた協力するから
「
「ふーん。まあいいことする分には私も協力するけど」
いいことねぇ。
あのオーディンにとってその結果がいい事とは
どのみち俺様の計画の
その為の協力なら
「くくっ。今はな・・・」
6章 10幕【天界一武闘会決勝「強敵」】
◆◆◆
「ここは・・・」
「
観客席から見ているのとその場に立ってみるのでは
いや、試合用に
おそらくこういうフィールドと言うわけではなく、本物の闘技場だろう。
「さあ試合も
ただただ大きく
おそらくは
ゼウスの名にふさわしい白の
今まで会った神の中で
話したことはないから見た目だけの話しだが。
全長何メートルくらいあるのだろうか。
「
「あ、あぁ」
ゼウスに気をとられている
神と言うのは何かと空に
「オーディン。
「・・・だとしたらなんだ」
「そう
「どういう事だ。まさかわざと負けるとでも言うのか」
「
「・・・それはどうも」
ヘルメスからあらかじめ聞いてはいた。
ヌアザは戦いにしか興味がなく、実力はゼウスの
ロキにすら勝てるイメージがつかなかったのにそのロキを圧倒する相手だ。
ヘルメスもゼウスの右腕と呼ばれているが、そのヘルメスが自分より力は上だと言う。
しかもその相手が稽古をつけてやると言うのだ。
「さあ来るがいい。
「ぐっ・・・」
ただただ
稽古をつけると言うのは教えるという事ではない。
「ありす・・・行くぞ!」
「えぇ」
「「
俺とありすは兵装し、二人でヌアザにかかっていった。
ヌアザの手には
神の防御があると言っても今のヌアザの攻撃に一発も
ならば槍の長所を生かして―
「
「なっ―」
俺達が攻撃を
その一振りで俺とありすは
「私が今の
甘い?
確かに甘い。
だが甘い考えで
相手の
それすらもさせてくれない相手。
本当の戦いなら今の
「ありす、
「わかった!」
「「絆力解放!」」
俺とありすは
俺のグングニルは二本の小さな槍となる。
最初に考えていた槍での長所は
だがこれでヌアザに近づけるとは思えない。
「
「・・・どういう事だ」
「
確かに槍の長所を捨てているグングニルがこの形で正しいわけがない。
だが、グングニルはそもそも
投げるのが目的ならば
だが短い事に
ただ手数が
槍の長所を捨てるのであれば槍としての意味はなくなるのではないだろうか。
「初めて考えたような顔だな。だから貴様は甘い。その
「自分が欲した・・・?だからありすは
ありすは槍を
だが俺は槍を使ったことなどない。
戦うなら剣の方が
今まではオーディンの力で
「気づき、そして私を楽しませろ」
「ありす、俺は
「でもこれでも近づくのは
「今ヌアザが言ったことを
「わかった、やってみるわ」
ありすは自身の速度を何倍にも上げてヌアザに突っ込んでいった。
俺の役割は後方支援と言うわけではない。
だが、今の形の
そのための二本の槍。
「ブルーランス!」
数百本の青い槍がありすと
力の
後は
「まだ甘い。だが少しは
大量のブルーランスを熱線で打ちぬいていく。
だが、
だがそれを打ちぬくブルーランスは一本でいい。
「はああああ!」
ありすは
さっきのように
見えない
そこに残ったブルーランスを
「剣にも何かしらの魔法を
ブルーランスはグングニルの
つまり防御魔法や
ロキ戦で見せた魔法をそらす魔法を使ってくるかとも思ったが、おそらくあれは結界の
だとしたらその魔法はブルーランスで貫通する。
となるとヌアザとの
「ブルーランス!」
「
ありすを強力な
それをさせまいと
「だけど、それくらいは考えてる。いけ!グングニル!」
「ほう」
ヌアザの
ありすを引きはがそうともグングニルはそれより前にヌアザを
これで魔法を
その一瞬でブルーランスとありすの攻撃が当たれば多少のダメージにはなるはずだ。
「
「なっ!」
強力な
グングニルは
ありすも
俺は直前に出していたブルーランスが攻撃を
「まさか
「くそ、ありす・・・」
ありすは地面に
守られたという事はありすは
ありすが
俺一人でヌアザにどう
「私ももっと楽しんでいたかったのだが、さすがの私でもグングニルが
「だからまだ俺は
「その
「ちっ。そこまで言うなら最後まで付き合ってもらうぜ。オーディンシステム
だが少なからず今は俺のオーディンとしての力をあげてくれる。
そう信じたい。
自分の中に自分じゃないオーディンを
「ロキの使っていたチップに
「そのロキからもらったオーディンの力を引き上げるチップだ」
「それは楽しみだ」
俺はヌアザに
だがそれは
攻撃方法がわかっていれば
一段と空気を
「
風力で風の流れを
「つらぬけぇぇぇぇぇ!」
槍を
だがヌアザの攻撃は
全ての攻撃をいなし、
ヌアザの今までの試合、武器は武器、魔法は魔法でこたえていた。
基本的には相手のスタイルに合わせて戦ってくる。
それが
そこを
ヌアザは武器には武器、魔法には魔法で
ならば攻撃の
やはりブルーランスはヌアザには一番の
「ブルーランス!」
一瞬のうちに
ヌアザの
言うなれば
防御魔法を使えないとするならば
「
水の
速さはヌアザの方が
『ならばブルーランスを―』
「ブルーランス!」
「させぬ。
グングニルめがけたその一撃は、見事にグングニルの切っ先に当たる。
本来なら攻撃を
光の
それをグングニルは受け止めたが、剣での攻撃を
俺は見事にその一撃に吹っ飛ばされることになる。
「我が剣、クラウ・ソラスの技をまたもや使わされるとはな。
「くそ・・・どうあがいても受け止められるのか」
だが今の一瞬、俺は何をしようとしたのか。
ヌアザがピンチだと思って紫電一閃を出したとするなら何がピンチだったのだろう。
直前に俺はブルーランスを・・・どうしようとした?
ブルーランスを止められ、違う所から
「貴様には
「なんだ・・・あれ」
俺は
ヌアザの剣、クラウ・ソラスの上空には小さな太陽と呼べるような物が
だがオーディンシステムを
あれは
小さな太陽はクラウ・ソラスの本来の姿と言える強力な
太陽に見えるのは
「くそ、ブルーランス
だがヌアザの一撃はゆっくりと
これを止める事さえできれば
だがこの技を止める力を今の俺は知りえなかった。
「
膨大な光は何もかもを飲み込んでいく。
全てを
肩から足にかけて本来真っ二つにされたであろう
ゼウスの防御魔法だろうが
ビリビリと剣筋は
「
ゼウスの発言を聞いた後、俺の意識は
神と呼ばれる者の強さ、そして自分の
俺はまだ神と言う
六章 【完結】
ヴァルハラの戦神 零楓うらん @reihuuuran
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。ヴァルハラの戦神の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます