明日の夢、今日の憂鬱

不律 翔り

僕の願い


僕は正夢を見る。正夢はいつの出来事かわからない。明日かもしれないし、明後日、もっと先のことかもしれない。

ましては、それを憶えていられることじたいすくない。


僕は正夢をよく憶えていられる、それは昔正夢を見るのが怖かったからだ。怖くて怖くてたまらなくなって見たものと違うものにしようと努力してけど、何も変わらなかった。こうして正夢=怖いものと結びつけてしまった僕は、嫌いなものがあるようによく憶えていられた。


今、僕は現役高校生で、楽しくも苦しくもない、平凡でありふれた生活を送っている。正夢を見る回数減っていざ見てもあまり気にしなくなっていた。


ある日、僕が学校を目指して歩いてると不意に、元気そのものでよく通る声で僕の名前を呼ぶ声がした。

うん、朝っぱらから大声で名前を呼ばれるのってなんてはずかしんだろうと。すこし顔を赤くしてそっと声のする方を見ると、遠くに笑顔で手を振っている小柄な女の子がいた。彼女は僕と同じクラスメイトで席の距離が近いてこともあって普段から話しかけてくれる、高校で始めてできた友達だ。というか、9月も始まり、夏休み顔わっているのに友達と登校してない俺って、と情けなく思ってると彼女も一人だった。タタタと車道をわたってきた。そして

「おっはよー、夏休みは充実していたかい?」


と、ケラケラ笑いながら話しかけてくる。なんかすごいばかにされているような。。。とりあええず

「うん」

と、1語返す。そんなやりとりをしながら一緒に学校えいった。小柄な彼女を見ているとぶつぶつ言いながら途中途中走ってくる。ちびってたいへんだなーと思いつつ、信号を渡ると赤になった。後ろを振り向くと困った顔で信号につかまっていた。おいていくのはあれなので変わるまで待った。こう見るとアイツってなんであんなに小さいんだろ、まわりの生徒にくらべると小柄なのがすぐわかる。なんてどうでもいいことを考えていると青になって彼女がかけだした。


や、どんだけさみしかったんだよ、っておもってほほえむと

「ブー」

、とあきらかに異常な音がするのでめをつむって耳をふさぐ

「ドン!!!」

「キャー」

女性の断末魔のような叫びでぼくは慌てて目を開けると、今さっきあいつがいた場所にはトラックがいて、数メートル離れえたところに力なく倒れている彼女がいた。僕の頭は理解できずに真っ白になる、だあれが通報したのか遠くからサイレンの音が聞こえてきた。最後に見たのは彼女だったそれがあった。


!!

目を覚ますと自分の部屋にいた、枕元にある目覚ましをみると日付けが8月14日だった。さっきのことを思い出していると自然に涙が出る。まっしろにな頭にはどうしようもなく行き場のない感情とセミの声が頭のなかに渦巻く。

どうか夢でありますように。。

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明日の夢、今日の憂鬱 不律 翔り @huritu

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