第3話 新しいクラス


初めて見る景色、初めて通る通学路。

桜並木が並ぶ河川敷。

同じ制服の人達が同じ道を通る。



『(大丈夫かなぁ…)』



ひらひら舞う桜を見ながら、心の中で思う私。

少しずつ不安が募っていく。

一歩一歩踏みしめながら学校への道を歩いて行く。



「おはようございます!」

「おはよう。」



学校の校門前には、沢山の学生達が集まっている。

そしてその中には、スーツを着た先生らしき人も居る。



私も勇気を出して学校の校門をくぐり抜ける。

校門の近くには大きな桜の木が植えてある。

入学の門出を祝っているかのように、桜の花びらが舞っている。



『(今日から入学か…大丈夫かな…)』



不安を抱ながら桜の木を通り越し、玄関へと向かう。



玄関には、クラス別の表が張り出されている。

クラスは、5つに分かれている。

周りには多くの新入生達が集まっている。



『(私のクラス、どこかな?)』



クラス別の表を見ながら自分の名前を探す。

Aクラスからゆっくりと探していく。



『(あった!…Cクラスか…)』



自分の名前を見つけ、肩から落ちた鞄を持ち直す。

人混みを掻き分けながらその場を離れる。



玄関と思われる場所にも多くの生徒で賑わっている。

中に入り、1年生の下駄箱に向かう。



『(Cクラスは…あった。)』



自分のクラスの下駄箱を見つけて、次は自分の名前を探す。



『(ここか…)』



自分の名前の下駄箱を見つけて、靴をしまう。

そして、室内用の靴に履き替える。



『(1年生の教室は三階だったよね…)』



周りを確認し、階段へと向かう。



「あれ、新入生?」

『はい、そうですけど…』



二階まで上り、階段の広間に居た女性の先輩が声をかけてきた。

その先輩の横にはもう一人女性がいる。

多分、その先輩の友達なのだろう。



「そっか!大変かも知れないけど頑張りな!」

『はあ、頑張ります…』



手を降りながら去っていく先輩。

その後ろをついていくもう一人の先輩。



『(なんだったんだろう…)』



疑問に思いながら、また階段を上る。

階段の踊り場には、大きな窓があり外が見渡せる。

階段を上り終わり、3階に辿り着く。



『ふぅ…』



階段を上り終わり、一息つく。

鞄をかけ直し、教室へと向かう。



『ここか…』



教室の前につき、不安が増す。



『ふぅ…よし!』



また一息ついて、気合を入れる。

ドアに手を掛けて、開ける。



騒がしいくらいの声が教室に響いている。



『(席は…)』



教室に入り、自分の席を探す。



『(窓際…)』



教室の後ろまで行き、自分の名前のある机を見つける。

窓際にあり、1番後ろにあった。



『(後ろ …まぁいっか。)』



机が後ろにあり、クラスに馴染めるか心配になりながらも席につく。

鞄を机の横にかける。



『(頑張らなきゃな…)』



席に座り、窓の外を眺める。

自分に気合を入れ直し、これからの生活を考える。



新しいクラス、初めて会う仲間たち。

これからどんな学校生活が始まるのかな?

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恋の蕾 紫蝶々 @purplebutterfly

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