戦隊ヒーロー物でおなじみのツッコミ所やあるあるネタについて、悪役側の視点から真面目に解釈を考えてみたコメディ……そう思って読み始め、実際に笑いながら納得してしまう場面は多々あったのですが。
分厚くロマンに溢れているSF的設定と、組織のしがらみの中でもがきながら勝利を目指す、戦闘員Aの等身大の熱さが期待以上に面白くて、のめり込みました。お仕事物としてもミリタリー物としても抜群です。
悪役の仰々しい外見とか。奇声とか。メインが白兵戦なのとか。必殺技を避けられない怪人とか。そういうクエスチョンに対するアンサーが、一つ一つ合理的。
そうだよね、上司が頭悪いの大変だよね、戦争でも守らなきゃいけないルールはあるもんね、戦隊のあの戦術は狡いよね、仲間の仇はなんとしても討ちたいよね……あれ、いつの間にかこんなに「悪の組織」を応援しているぞ?
そして、それまでの不可解な現象の背後にいた黒幕が明らかになるクライマックスで、面白さはさらに加速……その正体は、ぜひご自身の目でお確かめください。
頑張れ、負けるな、悪の組織の戦闘員A!