「お化け」の役を演じ、自らその事を理解しながら自身の仕事を日々こなし続けているロボット。しかし、彼がある日出会ったのは自身の中に収録されているデータでも判別しきれない、本物の「お化け」のロボットで……?
日本をはじめ、世界各地には大事にされなくなったモノ、まだ使えるはずなのに捨てられてしまったモノがその未練を晴らすべく、まるで命を持ったかのような妖怪になって現れる、という言い伝えが昔からよく見られます。ですが、今回の作品はその出会いの相手が人間ではなく「ロボット」と言う科学の髄を集めた存在と言う、一捻りした展開になっているのが面白いところです。
奇妙な時間の中、お化けロボットは何を得るのか……?
ちょっと不思議な、「サイエンス・『フィクション』(SF)」という言葉が良い意味でよく似合う短編作品です。