◯仮面

なんとかうまくやってる。

先生に指示されたら笑顔で頷き、

友達に誘われたら笑顔で趣き、

とりあえず笑顔で、うまくやってのける。

何を思っても、何を考えても、僕はそんな事など

押し殺し、笑顔で答えてしまう。

それでもって、うまくやってきているんだ。

争いが嫌いで、嫌われるのも嫌い。

そんな僕は常日頃から周りに合わせ、

常に笑顔で、常に相手の良いように振る舞う。

そうやっているうちに、

僕には仮面ができていた。

それも、誰にも見えない仮面が。

と、思っていたけど、

僕に仮面などない。

仮面などつけなくても、うまくやっていけるんだ。

誰にだって仮面はついてる。

ただ、見えない仮面だから中身なんて見ることができない。

だから、何をどう思っているかなんて、わかりやしないんだ。

けれども、踏み込んでくるやつは必ずいる。

仮面を壊そうとしてくるやつが必ずいる。

それが、友達であったり恋人であったり先生であったり家族であったりもする。何が起こるかなんてわからない。

もし、このまま仮面をつけ続けていたとしたなら、どうなっていたのか。

おそらく、自分というものを失っていたのではないか。

いや、そもそもな話、本当の自分とは何か、そこからだと思う。

まあ、何も考えずにいられる姿が本当の自分なのだと思う。

だから、そう接すれる相手を見つけることだろうなあ。

結局はね、人は誰でも仮面をつけていると思うんだ。

君もつけているだろうし、先生もつけているだろうし、

大切な人でさえもつけているかもしれない。

けれども、偶には取り外すのもありなんじゃないかと思う。

もし、僕みたいに取れなかったら、壊してもらうんだ。

そうすれば、良い世界が見えてくる。

それは、どんな世界かって?

君のその目で見たほうがいいよ。


そして、僕らは、誰もいない帰り道を、

木々に包まれた帰り道を、

ただ2人で、風に吹かれ帰って行った、8月のことであった。


終わり


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仮面 しょしょしょ、 @shoji-tsubasa

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