天機は転機に成りえるか
「――はぁ、あっつ。もう少しで11月だぞ、馬鹿野郎。」
季節はもう秋と呼ばれているのに、今日の気温はなんと28℃超え。外仕事の俺には正直しんどいとしか言いようがない。首に巻いたタオルを取り出して顔の汗を拭う。
今日も今日とて、地図製作調査の仕事を熟しているのだが、入社5年目の俺にも少しの変化が起きた。俺にも初の部下が出来たのだ。
『こいつを任せる』と野田課長からのお達しで新入社員の小林を連れ、研修を兼ねながら現場に出ている。
現場は二本橋の兜町。証券会社が多く古くから栄え、金融街などとも呼ばれていたが、今はその限りではない。進化し続ける町である。
仕事柄バグを気にする立場として言えば、兜を埋めて作られたといわれる兜山に因んで地名がつけられているところなんかは特に不気味さを感じる。そういえば俺も新人時代、新倉さんに連れられて何日も研修をした場所もこの町だったか。あれから何度も来ていて、少し記憶が薄くなってはいたけれども、新人研修としてここに立つと思い出すものなんだな。新倉さんがズラって初めて知ったのも兜町だったか。顔がにやけるのを必死に堪えながらメモ取ったよなあ。こうして現地で思い出し笑いを堪えながら仕事をする日がくるとは。新倉さん元気してるかな。
さて、さっさと今日のノルマを熟して無事に終えて帰りたいな。季節外れの暑さと慣れない新人研修などは、業務の遅延とストレスにしかならない。今日はもうかったるいから終わり―!なんて、簡単に出来ないのが社畜のつらいところか。
「佑介さ~ん、俺もうしんどいんですけど、そろそろ休憩しませんか?」
俺の後ろについて歩いてきていた小林は足を止め、膝に手を当てながら肩を揺らす。中々にしんどそうだ。
彼は中途採用ということもあり、顔を見知ってから日は浅いが、こいつはなかなかの強運を持っているのではないかと思わせることが多い。聞けば高卒でこの会社に入社。うちは全国をまたにかける大企業だし、しかも中途となると中々の倍率を見事突破しなければならない。元々地方住みではあったがなぜか本社へと配属となり、東京へ。もう少し言えば、見てくれはのっぺりとした顔立ちで、黙っていればおとなしそうな男なのだが、口を開けば馬鹿丸出し。五月蠅いくらいよくしゃべるのだ。しかしまぁ、分け隔てない性格も相まってか、あっという間に部署内ではちょっとしたいじられキャラになっている。更には上司である俺をさらっと下の名前で呼べたり、しかも極め付きに綺麗な彼女までいるそうだ。すごいよな。冷静に考えて。これは、なにか持っていないとこうはならないだろう。途中ないものねだりが見えたりしているがそこはさっと流してほしい。
「そうだなぁ」
時刻は11:20。会社支給の腕時計をチラリとみて、画板と五色のボールペンを抱えなおしながら小林に声をかける。
「あともう少しでお昼になるから、もうひと踏ん張りしようか。その代わりに昼は俺の行きつけに連れて行ってあげるからさ。もちろん、金なんか気にするなよ。」
ちょっと先輩風を吹かせながら肩を叩く。
「マジすか!あざっす、もう少しがんばります。けどきっつー。」
バテた体を少し揺らして泣き言を言いながらも、小林は意識を仕事に向けてくれた。
「水分補給はこまめにな」
ホント、今日は馬鹿みたいに暑いから。熱中症だけは気を付けてほしい。
そして今朝、会社で野田課長に『くれぐれも、小林君に何かしらないように』と去り際に、あの顔で、釘を刺されているのが少しの不安要素でもある。あの人変に勘がいいからな。
けどさ、そんなに心配だったらこんな危険と隣り合わせの地図調査課ではなく、現場に出ない総務なり経理なりに配属させればいいのに。でも課長は人事とは関係ないだろうから仕方ないのか。こんな昔からバグが多くて、曰くのついている地名があって、もっと言うなら怨念のありそうな武家とも曰くのある場所に仕事にいく俺に、こうして新人を連れて行けなんて言わなければいいのに。初めて部下を持つ俺にとっちゃ重荷でしかないって。あーけどそれは、新倉さんも一緒だったのか。先輩つれー。
そんなことを悶々と考えながらも、周辺の地図調査と小林への教育は続き、なんとか今日のお昼休みの時間となった。
「今日は暑いのによく頑張ったな。ここが俺の兜町でのいきつけのお店だ。昔お前と同じ新人時代によく上司に連れてきてもらってたんだ。」
どーんと、指をさして教えたのは古くから兜町で愛されているフランス料理店である。実際かなりの名店。
「え、俺、こんなとこ入ったこともないんですけど」
立派な店構えを前にたじろぐ小林をよそに、俺は言い放った。
「大丈夫だ、マナーなんか気にする必要なんかない。ここのランチのハンバーグは絶品なんだ。いいから早く店に入ろうぜ。」
軽く肩を叩いてバックを踏んでいる小林の背中を押すように店へと入る。
「あ、ありがとうございます」
「いらっしゃいませー!あら。椛沢さん、お久しぶりね。」
「ご無沙汰しております、今日は久しぶりにこちらで仕事がありまして。あ、いつものハンバーグ定食を2つ、お願いします。」
「ハンバーグ定食お2つですね、あ、そちらの若い子はライス多めでいいかしら?」
おかみさんが気を利かせて小林に一言添える。
「あ。大丈夫です。」
手を横に振りながらのっぺりとした硬い顔で、おかみさんのご厚意を断った。
ほんと、若い奴はわからん。もらっとけ、くっとけ、俺の金なんだし。
外とはうってかわって心地よい店内の席に案内された後、冷たい水を啜りながら、ここが好機と、俺が気になっていたことを聞いてみることにした。
「小林はどうしてこの仕事をしようと思ったんだい?」
わざと少し音を立て、グラスを置きながら聞いてみた。
「あれ?佑介さんにはまだ言っていませんでしたっけ。実は俺、邂逅者なんですよ」
おっ、と顔をあげながら小林の話に耳を立てる。
邂逅者とは、霊感の強い人の更に上を指すうちらの業界用語だ。
ものすごい人になるとレーダーに反応しない様な小さなバグも個人の力で認識したり、どんなバグとも会話ができてしまう人もいるらしい。あとなんか特殊な感性があったりとか、こんな俺のような一般人には見当もつかない力だ。
「そうだったのか、それでこの会社にきたのか。」
合点がいった。正直、この業界に邂逅者は貴重な存在だからな。
「まぁ、☆2つですけどね。あとはちょうど知り合いでこの会社の人がいたっていうのが大きいですけれど、自分みたいな邂逅者に出来ることをしたいっていうのも本音です。」
「えっ、知り合い?」
小林の言葉に被るくらいの早さで言葉が出た――。
ちょっと眉をひそめながら考えてみた。野田課長?稲垣部長?まさかの牧社長?
「えっと、その、知り合いというか。総務部署の小林って知りませんか?俺の姉ちゃんなんです。」
は?と一瞬なったのだが、多分顔には出ていないはずだ。
「へ。ああ。それは知らなかったな。じゃあお姉さんも邂逅者なの?」
「はい、姉ちゃんは☆1邂逅者で、それを社長に話したら一発で内定もらえてました。」
ハァ、大企業なのになんて緩い会社なんだ。俺なんかはしっかりと3次面接まで通過してようやっとこの会社に入れたというのに。やっぱり運が良すぎるだろう!
確かに危険な仕事ではあるが有給はしっかりとれるし、ボーナスも手厚い。福利厚生だってしっかりしている。定年退社であれば退職金なんか目が飛び出るくらいのものだっていうのに。羨ましい、持って生まれた才能に嫉妬した!そんな想いを巡らせつつ、小林にハハハと乾いた笑いを返していると
「はーい、お待ち同様。ハンバーグ定食2つね」
おかみさんが満面の笑顔で笑顔になる食事を届けてくれた。
「うわ、すごいっすね。はんぱないす。」
「だろう、まぁ、食ってみろって。絶対にはまるから。」
目を輝かせながら小林はおもむろにナイフとフォークでハンバーグを切り出して、口に運ぶ。
「うわ、俺マジで今幸せです!」
口に入れた瞬間にその言葉となんとも言えないにやけ顔が出てきた。ただでさえ細い目が、一段と細間って見える。
だろう?と自分の知りえたお店を褒められてにやけ顔になりながらも俺はハンバーグを口に運ぶ。ああ。やはりなんて幸せな味なんだ。最&高。
そんな幸せな気持ちも束の間
「ビービービー!」と突如鳴り響く腕時計の警告音。
うわ、まじか。昼ぐらいゆっくり食べさせてくれ――。
しかし、俺らは移動していないのに反応したとなると、厄介な移動型バグか。
「佑介さん、今、警告音なりましたよね!?」
口にハンバーグのソースをつけながら、真顔で話す小林。
「ああ。どうやらこの近くにバグがいるらしい。しかも移動型だ」
美味しいハンバーグの味と香りに後ろ髪をひかれながらも、突如沸いたバグの対応をするため、床に置いていたリュックをまさぐり準備を始める。
「俺、仕事でバグに会うのは今回が初めてですが、なんでもやります!」
急なこともあり緊張の色が見えるかと思っていたが、さすがは邂逅者。いつもバグを見ていただけはあって腹の据わりかたが違うか。
「そうか、もしかしたら応援を頼むが、とりあえず今は周囲のお客様に楽しいランチを食べてもらえるよう、手早く夢幻香を焚いてもらえるか?」
目線と顎で合図をしながら、指示を出す。
「任せてください!夢幻香ですね、わかりました。」
手早く脇に置いたリュックの中から夢幻香を取出し、さっと火を点ける。
ははっ、邂逅者とは言えやっぱり新人か。渡された道具の説明も注意も覚えていないんだろうな。火を点けた小林も、夢幻香を嗅いでしまい、ゆったりとしている。
この道具は効果時間は1~2分と短いが、なかなか優秀なもので、部屋の中であれば一瞬で匂いが広がり、この匂いを嗅いだ人は動きや思考が60倍もゆったりとなる優れものだ。効果が切れた時には1~2秒くらいしか経ってないと感じる計算だな。
どちらにせよ、俺にはバグと邂逅すれば44.4秒の猶予しかない。
俺は小林が火を点ける前に装着していた手袋とマスクの紐を強く締め直し、周囲の警戒を強めた。
『この夢幻香を焚いても普通に動けるモノ、そいつは必ずバグだ。』
新倉さんの教えが、頭の中で蘇る。
視線を巡らせた先にいたのは、動きの変わらないスーツ姿の高齢男性。
「――いた、お前か!!」
咄嗟に移動型バグを逃がすまいと、手袋をつけた手で掴もうとした瞬間
「ビー!!」とけたたましくなる腕時計に表示された文面をみて、俺は愕然とした。
≪タイプ幽霊:兜町の亡霊 バグ危険度☆☆☆☆☆+≫
嘘だろう?俺一人でどうこうできるレベルの相手ではない。手袋で握らずとも察知出来てしまうほどの危険度。しかもその危険度が、とんでもなく振り切ってやがる。
兜町の亡霊はこちらに気付いたのか、俺を見つめ丁寧に口を開いた。
「私はここで、おいしいランチに舌を躍らせたいのだが。君は邪魔をするのかね?」
パリッと着こなしたスーツに整った髪型。姿勢や所作から見て取れる紳士さ。だが、白く顔立ちがしっかりとした眼光から覗く瞳は赤黒く光っている。
ランクの高いバグはこうして俺らと同じように言葉まで使え、思考もできると聞いてはいたが、まさかここまでとは。そこに、いる。そう認識してしまった瞬間、蛇に睨まれた蛙さながら、身体が硬直しているのがわかる。
そして、この返答次第で俺は即死するだろう。
この5年、真面目に仕事をしていたつもりだが『兜町の亡霊』なんて、しかも危険度が振り切るほどの未遭遇のバグなんて、聞いたことも見たこともない。勉強不足でないことを祈りたい。そして、本来ならこの状況下であれば逃走することが最優先ではあるが、お昼時の店内には多くの来店客。野田課長に任された新人は道具によって動きが制限されている状態。瞬時に頭の中で思考し、パターンを考えてみたが、どうやら逃げるという選択肢はできない様だ。さながらRPGのボス戦ってところか。
「邪魔をする?とんでもない。でもね、これが俺の仕事なんですよ!」
硬直した身体に喝を入れるように、語尾が自然と強くなる。
「お若いデバッガーさん。私は君のような人間を何人もこの世から消してきました。この町でずっと、日本の経済を支えていかなければいけない崇高な使命のために。」
にやりとほくそ笑みながら、丁寧に言葉を返す亡霊。
「ふぅ、なるほど。その崇高な使命はいったいいつまで続くのです?」
息を整えながら小瓶を準備する。リュックから手に掴めた小瓶は5つ。
「面白い質問ですね。もちろんこの国が終わるまで、と言ったところでしょうか?」
「デバッグ開始――。」
亡霊の返事に合わせるように小瓶を投げ、決死のデバッグを開始する。
言葉に反応し、無造作に投げられた小瓶の蓋がバグに向けて開いた。そして目の前のバグが吸収されていく、――はずだった。
パン――ッ
亡霊が軽く手を叩くと周囲に投げつけた小瓶は粉々に割れ、足元へと落ちていく。
まるでスローモーションのように、キラキラと欠片になった小瓶を唖然と目で追い、
亡霊へと視線を変える刹那。頭上からとても大きな重圧が俺を襲った。死ぬ――。
今まで生きてきた中で感じたことのない重さが俺の全身を押し付け、床に突っ伏してしまった。肺が圧迫され、声を出すことも、呼吸さえもままならない。赤く変わった自身の顔色が、徐々に蒼くなるのを感じてきた。ぐっと歯を喰いしばり、亡霊へと視線をあげる。
睨み上げる俺と目が合い、おっ、とした顔をした亡霊
「なかなかいいじゃないですか。その顔、まるで昔の牧君を思い出します。」
しっかりとした顔立ちに不気味な笑みを浮かべた。そしてそれから直ぐに顎に手を当て軽く頷く。
「うん。オッケー合格。椛沢君おめでとう」
急にお道化たように自身の頬の横に、手でオッケーポーズをしながら言葉を放つ。
いったいこいつは何を言っているのか?なぜ、俺の名前を?さっき社長の名前がでていたような、、だめだ、意識が途切れそうになる。
「おっと、これは失礼。」
亡霊がパチンと指を鳴らすと、圧し掛かる重圧は魔法の様にふっと消え去った。
「ははっ、なんのことだかさっぱりだよね。申し訳ない。本当に牧君も人が悪いんだ。こんな私を使ってまで君のような若い社員を試験するだなんてね。」
俺は咽ながらも、痛みで悲鳴をあげている身体をゆっくりと起こすが、その場に座り込んでしまった。朦朧とする意識の中では、亡霊が発する言葉に意味を理解することはできず、頭に浮かぶはてなマークがどんどんと増えていく。
おもむろに、亡霊はポケットから出した懐中時計を眺め
「どうやら君が息を整えている暇はないようですね。そろそろ時間ですか。」
亡霊は悪気のない整った顔で俺に手を差し伸べた。
「クソッ、いったい、なにがどうしたってんだ。」
差し伸べた手を握らず、自身の力の入らない両足で、その場をなんとか立ち上がる。
「うん、そういうところ加点だね。優秀な人材がいるじゃないの。」
そう言い切ると、亡霊はすっと姿勢を変えた。
「ご挨拶が遅れて申し訳ない。ミカワヤマだ、以後お見知りおきを。君のところの社長とは友人でね、こうして君に試験を行ったわけさ。」
綺麗な所作で挨拶をする亡霊。見惚れてしまうほどの、さながら絵に描いたような白髪の紳士がそこにいた。
「なんだかな、いろいろありすぎて、頭が追い付いてないですよ。社長のご友人がこんな化物のバグだなんて、何かの冗談ですよね?」
その姿を見た俺は、危機的なバグを目の前にして、満身創痍でありながらも緊張の糸が解け、わずかながらも好意を持ってしまった。
「これは冗談なんかじゃありませんよ。今日あったことの詳しい内容は、追って説明がいくと思います。また会える日を楽しみにしていますよ。それでは。」
軽く手をあげたミカワヤマは、幻のようにすっとその場から消え去っていった。
――そこで、俺の意識は白い光から暗闇へと飛んだ。
「あっ…佑介さん!大丈夫ですか!佑介さん!!」
ゆっくりと瞼を開けた先に見えたのは、目の細い不細工な男。ああ。小林か。なんだか五月蠅く喚いている。眼球をゆるりと動かせば、真っ白な室内と小林の不細工な顔以外の情報がない。徐々に意識が現実へと戻ってきた。
「俺は、生きてるのか、つ…ッ、いってぇ。」
反射的に身体を起こそうとした瞬間、駆け巡った激痛。どこもかしこも痛い。
「動いちゃ駄目ですよ!肋骨やら鎖骨が折れていたり、体中痣だらけです!!もう会社の病院なので安静にしていてください!」
俺の状態を気遣う小林が少し、頼もしくも見えた。
「悪いな、助かった。」
その言葉にブンブンと音がなりそうなくらい首を横に振る小林。
「今回のバグの被害は?誰も怪我人はでていないのか?」
今一番に気になっていたことを尋ねてみる。
「佑介さんが倒れていた床がめり込んで割れていたこと以外、被害という被害は出ていません。発生したバグといったい何があったんですか?」
「はは、あれは、俺にもどう説明したらいいのか。けど良かった、無事でいてくれて。でもみんなは気付いたら急にその状況になっていたわけか、それはどう対応したんだ?」
「自分も詳しい事はわかりませんけど、あのあとすぐに人が来て、工事か何かの事故でそれに巻き込まれた、とかなんとか言ってましたね。そうではない事を知っている俺らからしたらおかしな話ですけど。」
事実を話したところで、誰も信じるわけではないから、そこが落としどころか。
それにしてもすごいな俺の勤めている会社は。やはり大企業なだけあるのか。それだけではないのだろうが、あまり深く考えるのはやめよう。怖くなりそうだ。
「なるほどな、ありがとう。で、俺はどんだけ眠ってたんだ?」
「半日くらいでしょうか?搬送されて処置も終わって、もうすぐ日が変わります。」
「そうか、ありがとう。」
「とりあえず、佑介さんの意識が戻ったことを会社に報告してきます!」
小林は嬉しそうな顔をして、急いで病室を出ていった。
ふぅ、しかしあのミカワヤマってのは何者なんだ。
夜中の静けさも相まって、しんと静まり返った病室のベットの上で俺は今日経験した臨死体験を振り返ってみることにしたが、落ち着いて考えてみても、どれをとっても理解するまでには至らない。
「試験、牧社長がバグと友人、俺の名前も知っていた…まったくわからん。謎だ。」
答えの出ない考え事をしていると、ガラリと病室のドアが開いた。小林かな。
「よう、椛沢。随分とやられたようだな」
聞きなじみがある声が聞こえる。脳内で何度もリピートし、夢にまででたあの声だ。
「まさか、新倉さん?!」
驚きながらも目線をドアの方へ向けると、やはり登場は指をピッと二本前に振り、カッコつけながらの新倉さんがそこにいた。
地図調査員の苦悩にバグを添えて いささか まこと @suroppi
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