美しい感性により描かれています。

 戦争中に大人たちの都合で殺されてしまった象の物語。その物語を“入れ子構造”にして描いています。童話のような形をとりつつも、予定調和的な童話から距離をとり、現実の人間とは……照間と彼に親しく接する女の子を除いて……通じあうきっかけすら取り得ない、感性のにぶい生き物という点を背景の要所で描いています。