第5話

俺は魔法使いの後を追うことにする。

扉を開けると、魔法使いが

「じゃ、早速魔法使うねー」

と言うので、扉を閉めて魔法使いさんを見ると、魔法使いさんは何かを唱えた。

すると、魔法使いの向いた先に木が生え始めた。

最初こそ小さくて枝のように細かった木がみるみる巨木に成長していく。

あっという間に、そこらの木よりも一回り大きい木が生えてしまったのだ。

「この魔法は見ればわかる通りこれは木の魔法だねー。これを使えば、見ればわかるように木を生やしたり成長させたりできるんだよー」

「すごいですね!」

そう言うと、魔法使いはにこりと笑った。

魔法使いも案外ピュアだったりするもんだな。

「あ、そういえば商品の注文忘れてたんだけd」

そう言ってレイヤが扉を開けた瞬間、森の木という木が一瞬でさらに大木になった。

あ、やっぱりこの人黒い?それよりも真っ暗なのをどうにかしてほしいんですが……。


生やした木は元に戻せないようだが、一気に成長させた木は魔力が無くなったらすぐに元に戻ってしまうらしい。

レイヤはそれを知ってか知らずか何も聞かなかったが、魔法見たことない俺からしてみれば森がこのままだったら何というか怖いんだけども。

「いやあー、いきなり来るからビビったんだけどー」

「すまないな。まさかあんなことになるとは思っていなかったもんで」

レイヤはそう言うけど、魔法使いのほうはさっきからずっとむすっとしていた。

肝心のレイヤも

「それより、なんで俺には魔法見せてくれないんだ?」

という始末。

なんというか、すれ違いって恐ろしいものだね。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

何も考えずにファンタジー やう @yau_you

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ