第5話 主人公、やっと行く。(再投稿編集済み)

「はい、ここが武…ナイン君の行く転生先の世界を管理する場所よ。」


 No.1765841お姉さんに連れられてきた場所はゲームの中でよく見るレンガの家がずっと並んでいるところだった。


「なかなかすごいところですね。」


 みえないところまで続くレンガの家は全て大きく、迫力満点だった。


「さっきいたところもそうだったけど、世界の管理する場所はその世界でなくなった方がほとんどだから違和感を感じさせないように元の世界の都市部にあたる場所に似せているの。」


「そうなんですか。」


 それにしてもこの感じだと魔法で作った家なのか?本当に大きい。


「…そういえば、No.1765842受付の人はどうしたんですか?」


 一応気になることは聞いておく。


「ああ、あの人は地球の管理場所の受付が専門だから、こっちには来れないのよ。」


「…No.1765841お姉さんの仕事は転生者の管理ですよね?」


「まあ、そうなんだけど。今回はナイン君が地球人レベルを逸脱してるVIPだから、私がつきっきりでサポートするわ。」


 VIPって言われてもピンとこないがなかなかにすごいものなのだろう。というかここでVIPとか必要なのだろうか?


「これからここでやることってまだあるんですか?」


「ないわよ?」


「えっと、ということはサポートって転生した後にするんですか?」


「そういうことになるけどそれがどうしたの?」


「いや、No.1765841お姉さんの仕事…他の転生者の管理とか、どうするんですか?」


 No.1765841お姉さんの仕事の邪魔はなんとなくしたくない。


「仕事は転生者…ナイン君のサポートになるんじゃないかしら。」


「…そうなんですか。」


 腑に落ちないというか話している感じ、魔王を倒さないといけないのか?


「僕は魔王を倒さなくちゃいけないんですか?」


「え、倒さないの?」


「いや、山奥で勉強しながら静かに暮らそうと…」


「え、もったいない!倒すならいい家に生まれるようにしてたくさん勉強できるようにしてあげるから!」


「いや、いい家でもそうじゃなくても勉強はできますから。」


僕の家はかなり貧乏だったのだが、奨学金などのお陰で学費の面で苦労はしなかった。


「なんと…そんなに魔王の討伐が嫌なの?」


「はい、命の危険があるのは嫌です。」


「次は寿命で死にたいとか…?」


「まあ、そういうことですね。」


「じゃあ、私が守るわ。命にかえてでも。」


「どうやるんですか?」


「死にそうになるとどこかへ転移する魔法をかけてあげるわ。」


まあそれならいいだろう。命にかえているのかどうかは別として。


「…サポートってどういう風にサポートしてもらえるんですか?」


「やってくれるの?」


「やりますよ。」


No.1765841お姉さんは小さく『やったぁ』と呟いた。


「で、サポートというのは?」


「精霊みたいにちっちゃくなってナイン君につくわ。」


「その世界での情報を教えてくれるってことですかね?」


「それと魔法とか使うでしょうから魔力を回復してあげるわ。」


「あと、向こうの世界では精霊は普通にいるものなんですか?」


「向こうに精霊がいたって情報はないわね。人間たちは大昔にいたんじゃないかって噂をしているわ。」


「そうですか。…精霊じゃないものになることは出来ませんか?」


「どうかしら?精霊が一番自然じゃないのかしら?小さいから特に目立つこともないし。」


「いつ頃から僕につくんですか?それによっては変えた方がいいかもしれません。」


「一応いつからでもつけるけど10歳までには必ずつくわ。やらなきゃいけないこともあるし。」


「そうですか。まあ、いつでも来てもらっていいですよ。精霊がいるだけで話題になりそうなので子供の頃は静かに隠れていてくれるなら。」


「わかったわ。わかんないことがあれば何でも言ってちょうだいね。私がわかることなら何でも教えるわ。」


 頼り甲斐はありそうだが、あまり目立ちたくない。妖精の姿は見られてしまったら終わりな気がする。


「じゃあ、そろそろ時間ね。」


ふぅ、と深呼吸をしてNo.1765841お姉さんがいう。


「え、転生ですか?…というか時間とか決まってたんですか?」


「あれ、言ってなかったかしら?」


 No.1765841この人は聞かなければ、言わないんじゃないか?という疑問を持ちつつ話を進める。


「えっと、それでどうやって行くんですか?」


「ここから落ちればいいのよ。」


 そう言って指をさしているのは今まで座っていたベンチがわきに置いてある広大な湖だった。


「ここですか?」


「一年に一度しか現れない湖。この湖が消えたらまた来年行くことになるの。ナイン君は運がいいわ。だってすぐ転生できるんだものね。」


「…そうですかね…」


 運がいいのか悪いのかで言ったらたしかにいい方だとは思うが、すこしタイミングが悪い気がする。



「それじゃあ、いきましょう。」


「…はい。」


と言った瞬間にNo.1765841お姉さんが僕の体をもちあげる。


「…そっれぇー!」


「うぁぁぁああああ!」


 僕はかなり強引に投げ飛ばされた。


 痛かった…気がする。



==========




今回はあんまり変えていないのでちゃんと投稿できました!次の投稿は1ヶ月後の11/18日です!よろしくお願いします!

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【異世界に行った天才は向こうでも天才】 橘 しんご〈タチバナシンゴ〉新 @tatibanana

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