1章2節私は...
私が私を自認するという事がどうしても良くわからなかった。
私の核となる個性は虚無だ、その上に父親の会社やブランドが書き足された。
私としての価値ではなく、私には父の娘という価値しかなかった。
私の存在意義は何処にあるのか、本当に分からなかった。
私が父から与えられた役割は誰かの代替だった。
私はそんな自分の運命ともいえる人生に心底嫌気がさしていた。
私はそんなときに彼、知理雄馬と出会った。
私を私としてみてくれる彼に今思えば依存していた。
私という存在そのものを肯定してくれた。
私の虚無だった個性に色を付けてくれた。
私は彼の中に永遠に残り続けたいと思った。
私は、私は、私は、私は…
DistortionWorld 御憑 狐華 @mitukikoharu
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