第12話たまにキャラに助けてもらう。
……眠るか。
こくっこくっごくり。
もうなくなっちゃった。梅昆布茶。次はフレーバードティーにするかなあ。あれ、贈りものだからほいほい消費したくないんだよねえ。あ、そういえば秋のブレンド、ハーブ屋さんからEメール届いてたな。こんど買いに行こうかな。
そうだ、ローズヒップのはちみつ漬け! あれを、試してみたい。ううん、楽しみ!
……寝るんじゃなかったっけ? あれ?
気がつくと私は……すじがきのない物語の中にいた。
女神の子守唄が聴こえる……。
「じーん」
は? え? なに、このじーんって? 前頭葉がほわーっとする。誰かいるの?
「うん」
返事? 誰?
「私です」
お名前は?
「宛名です」
宛名ちゃん?
「ちゃんはいらないなあ」
どうして?
「こっち、名前は呼び捨てでいいから」
はい、宛名。私はあずさゆみです。よろしくしたいけど、ここ一体どこなの?
「メッセージを届けに来ました」
はい……。誰から?
「お兄様から」
どのお兄様?
「わたくしの」
名前は?
「勝手につけてよいとのこと」
え? 真面目に? それって、私の創作物になるよって宣言?
「はい」
じゃあ、あとで適当なの考えるから、とりあえずメッセージをください。
「はい、えーと。仲間に」
仲間に?
「頼り切るな」
それだけ?
「はい、ごゆっくり」
自分で切り抜けろってことかしら。真面目にこれから何が起こるのかわかんない!
どうしろと……?
……あ! 閃いた! そうよ。谷に落ちた少年を、女神が自ら救いにいく。それでこそ女神!
「ほっ」
だれ? あからさまにほっとしたの?
「ごめんなさい」
仲間に頼り切らないってこういうこと?
「そうです」
じゃあ、直す。
(たまにこうやって助けに来てくれるキャラがいるのはありがたいことだ)
◆ ◆ ◆
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