第3話ただいま執筆中~~。

「承、の、まえに……前の文、どうだ? ここ、血塗られたナタ、に変えたら生っぽいだろうか……?」


 うーん? 先に「血をふり飛ばし」っていうのをザックリ取り除いたんだから、今また書かなくてもいいような。でも相手は邪悪なんだし。書くか。


 やりなおし。


『男神は血塗れたナタを放りやり、重々しい金属の鎧を持ってこさせた』


 これだけでいいか。


 つぎ、開戦……の前にひと悶着あるんだよね。


『石の神殿でたたずむ女神の前に、小枝のように華奢で、やわらかな面差しの少年が現れた』


「女神、私も戦います」


「おまえは無理です。さがりなさい」


「せめておそばにいさせてください」


「許しません」


『ショックを受ける少年。すがるようにさしのばされたその手を、女神は汚いものでも見るように……』


 いや、汚いものではないな。穢らわしい? なんで? 戦いの才能がないのを見抜いたから退けたんだよね? だから……。


『すがりつくその手を、女神はやさしく、けれど明確に振り払ったのだった』


 まる。


「そのようにやわらかい手をして、誰を、何をするつもりなのです」


「女神、私はあなたをお守りしたくて……」


「おまえを戦場に連れていくことはできません」


 厳しいよなあ。連れて行くのは精鋭だ、きっと。





「そ、そんな……女神」


『きがくるった少年は、崖から滑り落ちた。落ちた谷底で、血走った眼をぎらぎらさせ』


 てん。


「ゆるさない。私を許さないあなたを私はゆるさない。あなたは……おまえは女神ではない!」


『天を恨みながら、川へ流されていった……』


 なにか一言、つけ加えるなら、なんだろね?


『少年の姫神への愛は憎しみに変わったのだった』


 まる?





『平穏な村の田畑を焼き、恐ろし気な形相をした男神がやってきた』


 まる。


「断じてこの世は渡さない」


『姫神は涙をこぼし、たった一言』


 てん。


「ひどいことを……」(← これは後で自分の首を絞める一言だったりする)


 そして開戦よ。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る